Lo-Fi prototype No.03

Son of the Smith Hard Cider / サノバスミス
スタイルその他 - Kombucha / コンブチャ
ABV4.0%
IBU-

0.0☆☆☆☆☆

Story
「Lo-Fi」は、“クラフトビールを飲むシーンにおけるビール・サイダー・ワイン・ミードでもない第5のお酒とは。クラフトビアバーで飲む5杯目のお酒とは。” をコンセプトに、ゆったりとした雰囲気やくつろぐ時間そのものを楽しむための新ジャンル アルコールライン。サノバスミスの吟遊醸造家、ハカセが山間のラボで生み出した、既存カテゴリーに当てはまらない全く新しいタイプの液種です。
Prototype No.03では、私たちの地元 北アルプス山麓に自生するカエデの樹液に着目。
高校時代から青年期をアラスカの山々で過ごし現在は白馬村で自然環境にまつわるあらゆる事象・アクティビティに携わるパイオニア:雨宮康平さんの指導のもと、自生するカエデから樹液を採取し、これを主原材料とした創作酒「ハードコンブチャ/ Hard kombucha」の醸造を試みました。メープルシロップの原材料となるカエデ樹液は、1日で獲得できる量に限りがあり、極めて貴重な地域資源であると言えます。また、これらの樹液は「天然のバレルエイジ」とも言えるように、北アルプスの森の中・樹体の中での「水源かん養」を経て、穏やかなタンニンやミネラルを含む魅力的な素材となっています。まだ森に雪が残る春先の時期に、およそ2ヵ月半ほど時間をかけて丁寧に樹液の採取に取り組みました。
今作は、カエデ樹液由来の森の芳香やブレタノマイセス由来の酢酸感を基調としたハーバルで複雑な味わいの創作酒となります。地域自然環境のダイナミズムを感じながら、今作をじっくりとお楽しみください。

Brewer’s Note
ハードコンブチャとは、アルコールを含むコンブチャのことを指します。これは日本初の試みです。コンブチャで活躍する微生物は主に酵母と酢酸菌(グルコナセトバクター属&アセトバクター属)があります。活躍する主な微生物は、紅茶キノコの特有の浮遊物であるスコビーに属するグルコナセトバクターと、酢酸をつくる力が強いアセトバクター属です。アルコールはこれらの微生物によって酢酸に変換されます。つまり、糖分を含む液体にこのスコビーを添加し、発酵させることで酵母や酢酸菌が糖を食べ、アルコールを生成し、それが酢酸に変わります。このハードコンブチャは、ブレタノマイセスを利用してアルコールを含む果実酢となっており、従来のコンブチャとは異なる特徴を持ちます。しかも、このハードコンブチャは一切水を使用しておらず、水の代わりにカエデ樹液を使用し、リンゴと共にブレタノマイセスで好気発酵させた所にカエデ樹液と蜂蜜をブレンドし、緑茶とセイロンシナモン、橘で構成された静岡紅茶を浸漬しています。
樹液は森の香りと天然のバレルエイジが特徴であり、タンニンを含むため低アルコールながら複雑な味わいを楽しめます。ハードコンブチャを飲むと香りは森の中を歩いているときと同じ香であり、味わいは採取したカエデ樹液を飲んでいるかのような風味が感じられ、菩提樹の蜂蜜の清涼感とブレタノマイセス由来の酢酸味が見事に調和した作品になりました。カエデ樹液は雨宮康平さんのご協力で白馬村落倉高原で325Lの樹液を収集しました。サノバクルーも日を変えて樹液の採取に同行し、やり方を教わりました。最初に採れる樹液は無花果のような香りで透明な色をしており、後半に採れる樹液はナッツのような香りがし、色も茶色が濃くなり渋みが増してきます。樹液は煮詰めるとメープルシロップになるので、タンニンが少ない方が良質な樹液なのですが、今回はタンニンの複雑さを表現するべく敢えて周期が異なるカエデ樹液をすべてブレンドしてみました。
私の場合、樹液を担いで歩き回るのは20kgが限界でした。325Lもの樹液を集めることは本当に素晴らしいことです。この樹液の採取を通じて、山の資源の有効活用に興味を持つようになり、モミの木の新芽やスグリの葉の利用、マウンテンバイクでの山の探索なども試すきっかけになりました。今後も継続してこうした山の資源を有効活用した作品群を手掛けていく予定です。是非ともお楽しみに!

Spec
Lab the fifth
Lo-Fi prototype No.03
Small batch, Keg only
LOT No.: LF-2308P
Style: ハードコンブチャ/ Hard kombucha
ALC: 4.0%
Apples: ピンクレディー
Yeast: Brettanomyces
With: カエデ樹液(白馬村落倉産),菩提樹の蜂蜜, 緑茶, セイロンシナモン, 橘

ブルワリー

このブルワリーの他のビール

こちらのビールもおすすめ