SRM 30↑ 011:Stout Porter / スタウトポーター

CRAFT BEER BASE Brewing Lab / クラフトビアベース
スタイルポーター - Porter / ポーター
ABV5.6%
IBU-

4.2★★★★☆

○醸造背景
実験や醸造にアクシデントはつきものである、、、
という書き出しを何度したかわからないが(笑)、
今回も例によって禍を転じて福と為し (?) 生まれたビールである。
仕込み当日の朝、 本来なら淡色でキレのあるPilsnerを造る気でいた。
しかしあろうことか、マッシング (糖化)温度を誤って高く設定してしまい、キレとは逆にコクをもたらす麦汁になってしまった。
仕込みの初期段階でこういうことが起きると半分やけになる。
いっそのこと真っ黒でボディのあるStoutを造ることにした。
そこで手持ちのキャラクターモルトをかき集めて粉砕。
仕込みの途中段階で後入れするという強引な手法に踏み切った、、、。

○レシピ要点
ベースモルト: ビール醸造に必須の麦芽。 糖化酵素を有し、麦芽デンプンを糖に変換。 この糖は後に酵母によってアルコールとなる。
キャラクターモルト: ビールにカラメルやローストの風味、及び色味をもたらす麦芽 (非麦芽の場合もある)。 ほとんどが糖化酵素を持たない。通常、ベースモルトとキャラクターモルトは同時にマッシング工程で投入するが、今回は上述のアクシデントのため、キャラクターモルトのみをロイタリング (濾過) 工程で後入れした。

○社内テイスティング結果
香り :カラメル〜ナッツ~焦げ感のグラデーションが滑らか
味わい :焦げ感のある苦味。 デキストリンの図太い甘味。

○醸造家のコメント
風味は狙い通りのStoutだ。 しかし、 Stoutと呼ぶには黒色が足りない。
ビアスタイルガイドラインを参照するに、 いいとこRobust Porterだろう。
仮にマッシングで全量投入したなら十分の黒色麦芽を使用したつもりだが、やはり後入れでは色が抽出され難いようだ。 それでも風味は十分に思える。
特にデキストリンモルトの後入れは理にかなっている。
(詳しくは割愛するが、デキストリンの分解が防がれたことで甘味が残った)
Pilsnerを造るつもりがStoutに変更、 結果 Porterになった、
という紆余曲折を経たビールだが、発見の多い仕込みであった。
ちなみにStout Porterは歴史上、 実用されたビアスタイル呼称である。

原材料と使用法
○麦芽や他の穀物の配合
ベースモルト (マッシング時に投入)
 Pilsner Malt (78%)
 米麹 (ごく微量)
キャラクターモルト(ロイタリング時に使用)
 Dextrin Malt (8%)
 CaraMunich 30 °L (1.5%)
 CaraMunich 45°L (1.5%)
 CaraMunich 60 °L (1.5%)
 Special B (1.5%)
 Amber Malt (1.5%)
 Chocorate Malt (3%)
 Carafa Special 3 (1.5%)
 Roasted Barley (2%)
○使用ホップと投入段階
Cascade (麦汁煮沸開始時 2.5 g/L)
○酵母
Lallemand社 BRY-97 (アメリカンエール酵母)
○水質(ppm)
Ca:104, Mg:2, Na:15, Cl:149,SO4:53

『 SRM 30↑ 011:Stout Porter』
Style : Robust Porter
OG: 1.058
FG: 1.017
ABV: 5.6%
IBU:30
SRM: 30

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約2年前

けっこう香ばしいカラメルロースティというか焦げ感、ボディは軽めでわりとドライです。

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