#028 Experienced? / エクスペリエンスド?

伊勢角屋麦酒 / ISE KADOYA BREWERY
スタイルスタウト - Imperial Stout / インペリアルスタウト
ABV11.0%
IBU-

0.0☆☆☆☆☆

KADOLABO 028 Experienced? は「Molecular Beer Experience」と銘打ち、分子ガストロノミーの考え方をビール醸造に応用した。
時期柄、クリスマスを意識して、イチゴを使ったチョコレートケーキを彷彿とさせる味わいをイメージしたインペリアルスタウト。バーボンバレルエイジドの深く奥行きのある味わいをベースにしつつ、古典的なビールでは使われない複数の素材を組み合わせ、これまでにない味覚体験を提案する。
ベースビールには16ヵ月熟成の「Double Dare」と24ヵ月熟成の「Dark Entries」を50:50でブレンドした特別なバーボンバレルエイジインペリアルスタウトを採用した。どちらも十分に熟成が進んでおり、豊かな香りと滑らかな質感、奥深い味わいになっていた。これに、イチゴのピューレに、ラズベリーとブラックベリーを少量加えることで、果実のレイヤーを丁寧に積み上げ、複雑でありながら調和の取れた風味を構築した。さらに生のバナナを加えることで、フレッシュな甘みをもたらし、全体の味の密度を高めた。
一方で、ポルチーニの使用がこのビールに独特の個性を与えている。ミクソロジーカクテルでは国内指折りのバーテンダー南雲主于三氏が提唱するイチゴとポルチーニのペアリングに着想を得て、ポルチーニから水蒸気蒸留液を使用した。イチゴの甘酸っぱさとポルチーニの深い旨味が絶妙に調和し、互いの個性を引き立て合う。ポルチーニの滑らかな質感がビール全体のテクスチャーをさらに豊かにしてくれた。
こうした原料の選定と処理による味わいの設計に加え、五感を通じた体験にもこだわった。クロスモーダル効果を活用したユニークなラベルデザインを採用している。艶のある滑らかな質感のラベルは、指で撫でることで触覚を刺激し、同時にビールを飲むことでビールの舌触りやテクスチャーをよりリッチに感じられるように設計した。視覚・触覚といった感覚を通じて、味覚や嗅覚の体験を強化する手法は、近年注目される感覚科学の成果を取り入れたものだ。このラベルの存在が、単なるビールの飲用を超えた、より深い味覚体験を提供する。
インペリアルスタウト自体がユニークさを併せ持つスタイルである一方、その既存のインペリアルスタウトと比較しても特異性が際立っており、そのためExperimentalとスタイルに差し込んだ。副原料を活かしたインペリアルスタウトは、その原料自体にアロマ・フレーバーにフォーカスした構成が主流だが、そういったスタイルとは一線を画し、複雑な素材の組み合わせから新たな味体験を生み出すことに挑戦している。この実験的なアプローチは、ビールが持つ可能性を拡張し、新しい味覚文化を切り開く試みでもあります。イチゴやポルチーニといった個性的な素材が織りなすハーモニーは、分子ガストロノミーの思想そのものであり、「なぜこれが合うのか?」という知的探究心を刺激する。
クリスマスという特別な季節にふさわしい、豊かで深い味わいをお楽しみいただけると幸いである。このビールは、研究と創造の結晶であり、五感を駆使した新たな飲用体験を提供する。「Molecular Beer Experience」を通じて、これまでにないビールの魅力を体験することを願う。

# 028 Experienced?
スタイル Experimental Barrel Aged Imperial Stout
Malt
Extra Pale, Munich, C-40, Chocolate, CarafaⅢ, Black
Hop
Aged Styrian Goldings, Hop Flow
Yeast
American Ale
Sub
Sugar, Lactose, Fresh Banana, Strawberry, Raspberry, Blackberry, Porcini Mushroom

ブルワリー

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