RED ALE / レッドエール

スタイル	その他エール - Red Ale / レッドエール
ABV	5.0%
IBU	9.0

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今回このレッドビールは、カクテルホットビールのベースとして開発を行った。ホットビールとしての可能性を考える醸造となった。また、シンプルにモルトのうま味を楽しめるため、ハンドポンプでの提供も試みる。
This red beer was developed as a base for a hot beer cocktail. It was brewed with the potential as a hot beer in mind. Additionally, since the malt flavor can be enjoyed simply, we are also trying to serve it with a hand pump.

2025年11月半ばから我々の醸造所のある街、大淀にて開催されるクリスマスマーケットでの提供を目的とするビールが数種醸造された。その一環として企画されたのがホットビールだ。去年も同テーマで違うビールをベースにホットビアカクテルを提供した。その際はベルジャンXmas Aleにチェリーを入れたオリジナルのビールをベースとしていたが、アルコールが高く仕上がることと、玄人向けすぎるテイストに仕上がったので、今年はより飲みやすく、親しみやすいアルコールに留めることを念頭に、ベースのビールから新たに開発を行うこととした。
ホットビールに向く設計としてはいくつかのポイントがある。
1. ホップの量をできるだけ抑え、温めたときの味わいにホップのオフフレーバーを突出させないこと。
2. モルトのコクやカラメル感を押し出すこと。元々熱のかかった味わいを活かす設計をすることで相乗効果を生み出す。
3. 温めたときに雑味にならないよう、タンパク質系や酵母の個性をあまり出さない。
4. ガスを極力かけない。
上記を考慮し、今回プレーンなレッドエールを醸す事とした。カクテル完成のイメージはベルギー・東フランダース地方 LiefmansのGlühkriekで、飲む直前にチェリーとスパイスのシロップを加え、温めることでこのビールに近い設計を再現することを目指した。
そこで、
●暖めても美味しく感じる重厚な甘みをつける
●全体のバランスを取るための酸味を加える
●さくらんぼの味わいとスパイスの味わいのバランスと、ビールでの残り方
●美しい赤い色合いをどう出すか
をポイントとして考えた。
まずカクテルベースとしてレッドビールを醸造することを考えた理由は私達の醸造ポリシーでは温めて飲むほどの甘味を残すことにリスクがあると考えたからだ。また、発酵を介する方法でさくらんぼを使用したとして、さくらんぼの甘味・風味・香りを設計の期待するほど液体に残す方法は難しいと判断した。そこで上記を踏まえて、段階を分けてカクテルとして仕上げる設計とした。
結果としてはモルトフォワードのレッドエールをベースに、甘味の強いさくらんぼのシロップにオレンジとスパイスのシロップを加え、ホットビアカクテルとして寒い野外でもビールを楽しんでいただける味わいとなった。
さて、このビールだが、ハンドポンプを通しても提供できるガスボリュームで、UKパイントで緩々飲んでもなかなかに良い味わいである。もとより自由な発想をベースに作成したビールなのでビアスタイルとしての枠には当てはまっていない。皆様も自由な発想のもとで提供し、楽しんでほしい。

Brewing/Tasting Sheet
Batch #L153
Brewing Date 2025/10/14
Release Date 2025/12/12

RED ALE
Beer Style: Red Ale for Hot Cocktail

ABV: 5.0%
IBU: 9
SRM: 15
OG: 1.044
FG: 1.006

Grain Bill
:Pilsner 72%
Maris Otter 11%
Munich 9%
Cara Munich 30°L 2%
Cara Munich 60°L 1.5%
Light Crystal 1.5%
Wheat Malt Black 1.5%
Roasted Barley 1%
Crystal Dark 1%
Yellow Koji Trace

Hops:
East Kent Goldings Boil 60min 0.5g/L
East Kent Goldings Boil 0min 0.5g/L

Yeast
: Lallemand BRY-97 (American Ale Yeast)
Water (ppm)
: Ca 70 Mg 2 Na 15 CI 74 S04 71

ブルワリー