GOLD RUSH / ゴールドラッシュ

Yorocco Beer / ヨロッコビール
スタイルその他 - California Common / カリフォルニアコモン (Steam Beer)
ABV6.5%
IBU-

4.1★★★★☆

カリフォルニア・コモンという今ではあまり聞き馴れない名前のビアスタイルがあります。

ゴールドラッシュの頃のカリフォルニアが発祥のこのビールは、別名スチームビアとも呼ばれます。有名なのはアンカー社のアンカースチームというビール。

当時(1800年代後半)の西海岸には少なくとも25軒くらいのブルワリーがあり(多くは東海岸からやってきたドイツ系の移民・子孫が経営していたと思われる)、このカリフォルニア・コモンを醸造していたようです。そして労働者階級を中心に安価な飲み物として消費されていました。

ビールの製法としては、ラガー酵母を用いながら高めの温度帯(エール並みの)で発酵させていたとされ、こうすることでラガーの持つクリスプさに、発酵由来のかすかなエステル香が加わります。さらにモルトからのパンのような深いコクと、ホップの苦味やスッとする香り。それらが調和することで、どこか懐かしいような独特のフィーリングを持ったビールに仕上がっています。

見方によっては、際立った特徴のない「凡庸な」ビールのようにも思えますが、その凡庸さが特徴とも受け止められます。

シンプルで飾りのない労働者のためのビール。ゴールドラッシュに湧く当時のカリフォルニアに思いを馳せながら、楽しんでいただきたい一杯です。

アメリカンなIPAやペールエールの、もっと源流にあるビールだと思います。

ラベルのデザインは、スペクテイター誌でもお馴染みのミネくん @noriteruminezaki によるものです。

ヨロッコビールのラベルを製作してある頂くのは、 @sunshinejuicetokyo とのコラボに続き3作目になります。

ミネくんが昨年にアートディレクションを担当した書籍『オン・ザ・ロード:書物から見るカウンターカルチャーの系譜』からインスピレーションをもらって出来上がったビールです。

カウチビールという言葉がありますが、チップスやジャーキーなどを片手に、映画でも観ながら飲むには最適なビールだと思います。

週末のお供にぜひとも。

長くなってしまいましたが、最後に余談です。

このビールを仕込んだ後から、「ゴールドラッシュ」について色々と調べものをしました。

wikipediaにカリフォルニアゴールドラッシュの項があって、それを読むだけでもかなり楽しいのですが、ミネくんからも色々と教えてもらったりしました。

セバスチャン・サルガドのアマゾンのガリンペイロの写真集は衝撃的でした。

また、映画等でもゴールドラッシュを題材にした作品は多くあり、コーエン兄弟の「バスターのバラード」も面白かったです。

(関係ありませんが、コーエン兄弟と言えば「ビッグ・リボウスキ」が大好きです)

生きるか死ぬかの大変な時代だったようですが、ツルハシ片手に金塊を求めてさすらう姿に、人間の原始的なエゴとロマンを感じます。

ゴールドラッシュについては、これからもdigってみたいと思います。

最新のレビュー

クラフトビール好きニキ∞
ビーチ・マフィン / BEACH MUFFIN

4.0★★★★☆
2年以上前

スッキリとしつつも単純なラガーにはない華やかさもあり

デカプリ子
SANITY / サニティー

4.2★★★★☆
2年以上前

たしかにドライ、柑橘モルティなアメリカンIPAってかんじです。そこそこのみごたえはありつつ、スイスイ飲める。

ブルワリー

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