Schwarzbier / シュバルツビア

スタイル	ラガー - Schwarz / シュバルツ (Black Lager)
ABV	4.3%
IBU	-

4.3★★★★☆

黒ビール。黒ラガー。ブラックウィートとノーブルホップ、ラガー酵母が織り成す何度も何度も飲みたい黒。
This is the Black Beer or Black Lager, drinkable black liquid made with black wheat malt, noble type hops, and lager yeast.

CRAFT BEER BASEでは2023年、ビールの4大発祥国を順次特集する。9～11月のテーマはドイツだ。醸造部からもドイツ発祥のビアスタイルを幾つかリリースする。
今回のリリースはシュバルツビア。直訳すると黒ビールで、実際に黒い液色を特徴とするビアスタイルである。一説によると世界最古のビアスタイルと言われ、現在のクルムバッハ地方が位置する辺りで紀元前に、黒く焦がしたパンを使用してビールを造っていた痕跡が見つかっている。そしてクルムバッハ地方では現在でもシュバルツビアの醸造が盛んである。
黒い液色を特徴とするビアスタイルは世界中にいくつかある。少しだけまとめてみる。
〇スタウト　アイルランド発祥のエールである。ローステッドバーレイという真っ黒に焦がした大麦が使用され、乾いた渋みを伴う強い焦げ感が特徴だ。日本のビールに関する表示規約ではエールである必要はなく、スタウトと名の付く幾つかの銘柄はラガーとして醸造される。これらの銘柄は世界史的には後述のシュバルツビアが近い。
〇ポーター　イギリス発祥のエールである。スタウトの前身と言われるが、今となってはスタウトとポーターをブラインドで飲み分けることは我々プロでも難しいほどに両者の味わいは近接している。しかし、本来ポーターは発酵の進み過ぎたエールと新鮮なエールのブレンドだったという歴史を思い出せば、ポーターはスタウトよりもエステルなどの発酵香と酸味が強く、尚且つ新鮮なホップ香も同時に感じられる、というのが私の見解である。
〇シュバルツビア　ドイツ発祥の“ラガー”である。ラガーらしくフルーティなエステルは控えめで、スタウトやポーターと比べるとサッパリと飲めるのが醍醐味だ。このラガー特有の飲み口を存分に活かす原材料が、穀皮を取り除いてからローストしたモルトである（本作では初めから穀皮のない小麦麦芽のロースト品を使用）。これによって黒い液色とコーヒーのような香りが付与される一方で、スタウトのような主張のある渋みは回避される。またシュバルツビアでは気品あるノーブルホップの香りも適度に効いており、これもまた何度も鼻と口をつけたくなる要因だ。
以上が代表的な黒色ビールのまとめであると同時に、本作で表現したかったシュバルツビアの特色である。

『Schwarzbier』
Style : Schwarzbier
ABV : 4.3%