Extra Bass / エクストラ バス

別府ブルワリー / Beppu Brewery
スタイルペールエール - English Pale Ale / イングリッシュペールエール
ABV5.0%
IBU-

0.0☆☆☆☆☆

英国の歴史あるビールをオマージュしたブリティッシュペールエール。大分市のビアバー「Extra Hop」の3周年記念コラボビール。落ち着いたウッディ、ミント、トーストのアロマに、しっかりとした苦さ。

ベースモルトを英国産Marris Otterにして、Honey Maltと微量のローストモルトCarafa Special Type 2を使用。また、口当たりをスムースにするためのFlaked Oatsと、ボディを軽くするための砂糖も使用しました。ホップの中心となるのはこれも英国産Northern Brewerとし、それにEast Kent Goldingもアロマを支えるために使用しました。

今回のフォーカスは水質。ビターやペールエールが生まれた英国のBurton-on-Trentの水質を意識した超硬水の水質を別府で再現して仕込みました。水質調整には事前の多くの計算に加えて、仕込み自体に悪影響が出ないよう調整のタイミングや方法まで計画して仕込みに挑みました。

ライトアンバーカラー。ウッディ、清涼感のあるミントと少しだけ柑橘のホップアロマに、トースト、カラメル、ハチミツのモルトアロマ。抜けはミント、メントールのようなすっきりとしたアロマ。温度が上がるにつれてモルト由来のアロマが増え、トースト感と少しだけロースティな香りもします。ライトでドライな口当たりに、しっかりとしたホップフレーバーと苦さ。

光栄ながら今年もExtra Hopの周年ビールをコラボビールとして作らせて頂きました。昨年から引き続き、自分たちが普段作ろうとしないようなビールを通して、技術的な課題をクリアしながら店主衛藤さんのリクエストに応えます。今年のお題は日本での流通が終了したBass Pale Ale のオマージュ。これを行うには2つの課題がありました。1つは、ヘッドブルワー神谷が飲んだことないこと。2018年から日本への輸入は終わり、もう一人のブルワー古関も前すぎて飲んだ時の味を覚えていないくらい。2月にアメリカへ行っていた間も探してみましたが見つからず、衛藤さんとネットの情報をもとにレシピを作り上げることにしました。
2つ目は、Burton-on-Trentの水質再現。水はビールにとって一番大事なもの。伝統的なビールの味や見た目には、それぞれのビールが生まれた地域の水が大きな影響を及ぼします。例えばドイツのミュンヘンは炭酸(イオン)の含有量が多いためビールのカラーを濃くしデュンケルやボックへ、チェコのピルゼンは含有物が少ないために淡色のピルスナーへと繋がっていきます。Burton-on-Trentも水質としてはその硫酸(イオン)の含有量の多さが有名で、それはホップのシャープな苦さを生み出し、ペールエールの誕生につながり、それが現在のIPAの源流となるのです。
日本の水質はいわゆる軟水で上記のピルゼンに近いとも言えます。ビール醸造における軟水の長所はその柔軟性です。水質は硫酸カルシウム等の塩を入れることでイオンの含有量を調整するのですが、これは足し算だけで引き算は出来ません。イオンを除くには一般的にはRO膜というフィルタを通して行わなければならず、それなりの投資になります。そしてその足し算もシンプルではなく、1つの塩を足すことは2種以上のイオンを追加することになるので、バランスを取りながら目標とする水質へと調整するのです。別府ブルワリーにはまだその設備はなく、国内で見ると少し硬水寄りの別府の水に足し算のみで行います。先の例で、硫酸カルシウムは硫酸とカルシウムに分けられ、それで硫酸だけをブーストすることが出来ず、他の塩と調整しながら今回のようにBurton-on-Trentの水を再現するのです。ですが、Burton-on-Trentの硫酸の含有量はとびぬけており、事前の計算にはとても苦労しました。また計算結果から入れる量を見たときに、普段の仕込みの3倍くらいの塩を入れることになり、それもびっくり。変な味にならないか恐れながら仕込みをしましたが、問題なく進めることが出来ました。
出来上がりとしては正直答えを知らないのでみなさんに感想を伺いたいです。自分がイメージしたものとしてホップとモルトはちょうどよくバランスがとれたかなと思います。想定よりも少し苦くなりましたが、全体としてはまとまったのではと思います。

Extra Bass | British Pale Ale | 5.0%

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Extra Hop / エクストラホップ
https://my-beers.com/bars/1693

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