Funky Pawty

別府ブルワリー / Beppu Brewery
スタイルその他 - Saison / セゾン
ABV4.6%
IBU-

0.0☆☆☆☆☆

パーティガイル法で醸造し、ブレタノマイセス酵母で二次発酵させたファームハウスエール。酵母のファンキーさ、モルトの甘いハチミツ・モラス、ウッドチップのバニラを感じます。寝かせたらさらに美味しくなるかも?

Parti-gyle/パーティガイルとは1つのマッシュ(糖化するときのモルトとお湯)から複数の異なる糖度の麦汁を作り、複数のビールを作ったり、ブレンドして調整するイギリスの伝統的な醸造方法です。バーレーワインを醸造したときに大量に余るモルト粕を再利用するために、まだ糖分の残ったマッシュに追加でお湯を混ぜて別の麦汁を作り、発酵させて別のビールとしてファームハウスエールを作りました。

発酵後の約半年近い熟成後、焼き付け具合の異なるアメリカンオークのウッドチップのブレンドを漬け込みました。パッケージング直前にブレタノマイセス酵母を添加して、別府ブルワリー初の樽内・瓶内二次発酵を経ています。

澱を除けばクリアなアンバーカラー。アロマはまずブレタノマイセス由来のファンキーさ、特にパイナップルや獣のよう。時間が経つにつれてパイナップル感は落ち着き、ライムのようになります。さらにモルト由来のハチミツやモラスのような香りに、ウッドチップがタバコやバニラのようなキャラクターを足しています。しっかりとしたカーボネーションの一方で、ドライで軽い酸味にボディは非常に軽く後を引かない食中酒としても飲めます。

今年もパーティガイルでビールを作りました(ということはハイアルも一緒に作っています)。余った麦芽を使うので、考えようによってはモルトの原材料費がかかっていないビールになり、その分リスクをとったビールが作れます。今回も醸造方法が昔ながらなので、少しラスティックなビールを作ろうと、昔の人がビールを作ったらこんな感じになるかなと想像しながら作ってみました。
仕込みは2024年4月でしたが、紆余曲折あり長い期間熟成することになりました。熟成直後でも程よいモルト感のあるファームハウスエールになったかなと思っていました。一方で仕上げるタイミングを待っている間に様々なものが揃い、ウッドチップやブレタノマイセスを使用するタイミングと合わせることが出来ました。
ブレタノマイセスの使用はリスキーです。そもそも大手工場ではブレタノマイセスを口にすること自体が忌避されるほどビールの大敵です。なぜなら通常のビール酵母よりも分解できる糖分が多く発酵のスピードも遅いため、時間が経ってからオーバーカーボネーションになったり特徴的な香り・フレーバーを生み出すので、もし混入・汚染されても発見するころには手遅れになってしまうためです。
そこで他のビールへの混入・汚染を避けるためにも使用には厳重な注意を払いました。自分はあまり使う機会がないだろうと思っていましたが、ブルワー古関が好きな方面のビールなため実験的にブレタノマイセスの使用に踏み切りました。特徴的な香りは好き嫌いが分かれるかもしれませんが、それもこの種のビールの楽しみ方かなと。

今回のビールは樽内・瓶内二次発酵なので酸化・劣化に強く、ブレタノマイセスによる長期的な味の変化もあるため、長い期間に渡ってお楽しみいただける商品になっていると思います。パッケージングは2024年11月ですので、そこから1年2年経っても味わいの変化を感じてもらえればと思います。

ちなみにボトルのラベルはヘッドブルワー神谷の愛犬「ブレット」です(生後半年くらいに撮ったお風呂での一枚)。ブレットBrettはブレタノマイセスBrettanomycesの略称。彼の匂いもファンキー。

※ケグ内にヘッドスペースを設けていますが内容量は10Lございます。カーボネーションが強めになっております。レギュレーターの設定にお気を付けください。

Funky Pawty | Brett Saison | 4.5%

ブルワリー

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