001 The First Batch / ザ ファースト バッチ

伊勢角屋麦酒 / ISE KADOYA BREWERY
スタイルペールエール - Pale Ale / ペールエール
ABV- %
IBU-

0.0☆☆☆☆☆

新サブライン「KADOLABO unpublished」を立ち上げました。
大作に至る前の小さな実験を、330mlのボトルで届けるシリーズです。

001 THE FIRST BREWは、新規導入した100Lブルーハウスの初仕込み。定番ペールエールのレシピで変数を絞り、設備固有の特性をコントロール実験として評価しました。

The First Batchと名付けた第1作は、Brewhouseの仕様確認のために、ISEKADOの定番であるペールエールのレシピをそのままに醸造した。2-Row Pale Maltをベースに、C-40を少量加えたグリストビル。ホップはCitra、Mosaic、Chinookの3品種、酵母はエステル生成が抑制的でPOF遺伝子が不活性なAmerican Ale酵母を選択している。ABVは5%。新しい設備の初回仕込みでは、変数を絞ったシンプルな処方が鉄則だ。ベースモルトとクリスタルモルト1種、定番ホップ3品種という構成は、設備固有の特性を他の変数と交絡させずに評価するためのコントロール実験である。

興味深かったのは、完成したビールの糖度がRolecのブルーハウスで仕込む場合よりも低くなったにもかかわらず、ボディの厚みが感じられた点だ。100Lでは昇温・降温の応答が4000Lタンクとは大きく異なり、マッシング中の温度履歴がα-アミラーゼとβ-アミラーゼの活性バランスを変動させる。糖化温度の高温域での滞留時間が相対的に長くなれば、分岐鎖デキストリンの比率が高まる。加えてC-40由来の結晶化デキストリンは酵母が資化できないため、見かけの最終糖度が低くてもボディを構成する非発酵性多糖は残留する。酵母の代謝に目を向けると、Saccharomyces cerevisiaeがNADH/NAD+の酸化還元バランスを維持するために生成するグリセロールが、口中での粘性を高めている可能性も否定できない。ボディの知覚は比重という単一指標では記述しきれない多変量の現象であり、この種の「設備由来の差異」を一つずつ解読していくこと自体が、unpublishedの醍醐味と言える。

現場の実感として付け加えるなら、150Lスケールでは仕込み中の麦汁の色・粘度・香りの変化を五感でダイレクトに追える。40hlでは計器とサンプリングバルブ越しにしか見えなかったものが、目の前のケトルで起きている。この距離感の近さが、設備の挙動を体で理解する上で決定的に重要であることを初回仕込みで再確認した。

Style American Pale Ale
Malt: 2row malt, C-40
Hop: Citra, Mosaic, Chinook
Yeast: American Ale
5% ABV

ブルワリー

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