楓IPA (Beer Celler Sapporo)

Streetlight Brewing / ストリートライトブリューイング
スタイルIPA - Session IPA / セッションIPA
ABV2.5%
IBU-

0.0☆☆☆☆☆

去年に引き続き今年も造っていただきました。楓IPA
私ファルコンの娘である楓に向けたビールで、当然まだ飲んでもらうことは叶いませんが20歳になったその瞬間に飲んでもらいたいという願いを込めた大切な企画です。
おそらく私の生涯をかけて造り続けてもらうことになるビールであり、私が死んでも造り続けてほしいビールにしていきたいとも考えています。
初回は香川高松にあるせとうちビールで造っていただきましたが、2回目にあたる今年は札幌のストリートライトブルーイングにて引き続き @boku_ha_brewer 川村洋平氏に設計・醸造していただきました。
洋平いつもありがとう。
平凡な日でも特別な日でも常に洋平のビールがそばにあります。
山谷さん黒川さんタカちゃんらブルワーチームにも改めて感謝を(大阪さんグッチーは当然ね)
そしてデザインに関してですが、初回ラベルとニュアンスが違いますよね。
以前デザインしてくれたヤスオが現職の多忙につき新たなデザイン作成という点で難儀だったので、了承のもとデザイナーの変更がありました。ヤスオ忙しい中ありがとう
今年はかねてよりお世話になっております @bakumae 前田麦さんに依頼いたしました。
毎年違う方にデザインしてもらうということはしません。
ここからこのラベルに映し出される「楓ちゃん」というキャラクターの冒険を見守っていきたいと思います。麦さん素敵なイラストをありがとうございます。
ここからの長い旅路にどうぞお力添えください
さてここまで長くなりましたがこのビールについての本題です。
前回と基幹コンセプトは替わっていません。低いアルコール度数ながら味わい深いIPAで家事育児中ややらなきゃいけないことがあるけどリフレッシュしたい方に向けたビールでもあります
前回は2.5%と非常に低い度数でしたが今回は3.5%となっております。苦味は相対的には控えめで香りと甘味が増しバランスがとれた形です。
楓の成長とは裏腹に(絶賛イヤイヤ期なぜなぜ期中)刺々しさがなく丸みのある苦味で非常に優しい印象が強くなっています。こんな風に育ってねと言ってやりたい

ここからは蛇足ですが……。
私はブルワーじゃないのでこれを造ることができません。造ってもらってます。
だがしかし企画をして販売し、市場に広げることはできます。
およそ20年かけてリリースし続けていく商品をその場の思いつきで企画したり、一時的にバズらせたり、キラーコンテンツ化して名声を得たいわけでもありません。
これは裏返すと非常にささやかな宣誓なんです。
この先ずっとこうして自らでリリースを続けていけるような存在であり続けること、モチベを維持しながらあらゆる変化の中でもブレずにこの企画を成り立たせてみせるということへの。
それが成長した楓に見せてあげられる親の背中であると信じています。(ということは飲んでもらうまでは絶対に死ねませんね!)
楓、誕生日おめでとう

写真と動画 @servicearea.jp

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【愛する娘と、いま子育てしてる人達に向けて】
ジャズの名盤にワルツ・フォー・デビイというものがあります。
ビル・エヴァンス率いるピアノトリオが奏でるそれは美しさと儚さを併せ持った素晴らしい音楽です。
このワルツ・フォー・デビイという曲はデビイというビル・エヴァンスの姪に向けられたもので、確かデビイはまだ存命のはず。(作曲当時2歳)
このように誰か一人に向けた作品が世界中の人々を虜にするということは、音楽の世界に限らずしばしばありますよね。
はじめからその両方へのアプローチを見据えた形で取り掛かるのは少し野暮だし気恥ずかしさは拭えませんが、私は今回愛する娘に向けたビールをつくりました。
それは娘に向けたものでありつつ、その性質から育児や家事をしながらも楽しみやすい低アルコールの、しかし飲みごたえもあって忙しい中でも癒やしを与えてくれるような、つまり子育てをする世の親たちに向けたものにもなりました。
娘はまだ2歳になったばかりなので当然いくら低アルコールだからと言って飲むことは叶いません。
だからこのビールは毎年造り、そして20歳を迎えたときに最初に飲んでほしいビールとして造り続けようと考えています。
2.5%という低アルコールながらホップの苦味と香りが鮮烈なIPAなので強烈なビール体験をしてもらえると願っていますが、その反面酔い過ぎたり苦手だなと感じてほしくないというヤワな部分も孕んでいたり。
一方で商品として造るわけなので皆さんにも飲んでいただきたいという思いもあります。
そこで注目してもらいたい部分がアルコール度数の低さと、それでありながらIPAというスタイルであること。
アルコール度数を抑えたセッションIPAというスタイルもありますが、そのセッションIPAとは意図するシーンやシチュエーションが違うためにスタイル名には冠しておりません。
酔っ払ってしまうと少しサボりたくなるような家事育児がある世の親たちが、飲んでも予定に支障をきたさない程度のアルコール度数でいて且つ脳内と腔内を豊かに潤す新しいコンセプトのビールだと自負します。
またラベルデザインは @vortex_hokkaido ヤスオに依頼しました。
ウィリアム・モリス的エッセンスを楓の木や葉で再構築したような。娘に最初に渡すにはうってつけのものに。
そして醸造に関しては @boku_ha_brewer Hobo Brewing川村洋平氏にすべて委ねました。低アルコールが面白いよねという導入から始まり、コンセプトは私が練っていきましたが味の狙い所である「軽いながらもペラペラじゃないビール」はしっかり洋平が捉えてくれてます。
苦味はやや強く出ておりますが、アルコール度数が軽すぎるので品質キープの意味でもしっかりと苦くしました。
最近我々が輸入するビールも苦味はやや控えめが多かったので、ラインナップの上でもバランスが取りやすいなぁと。
娘の誕生とそして成長を祝い願うつもりで造ろうとしていましたが、やはりそれだけにとどまらずそれをどう楽しむかというところまで根を伸ばしていくと結局こういったコンセプトに辿り着きました。
はじめからその両面を持たせた形でリリースするのは、どこか野暮だし気恥ずかしいし、もっというとちょっと商業的な臭いも強く香るかもしれません。
でも愛情に溢れたビールであることは間違いない!と断言できます。
それは娘への愛のみならず、家族や、これを手にしてくれた皆さんへの愛もまた。

2022年はせとうちブルワリーにて醸造

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Beer Cellar Sapporo / ビアセラーサッポロ
https://my-beers.com/bars/223

ブルワリー

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