Emperor 006 - Ludvig Ⅱ / エンペラー006 - ルードヴィッヒ2世

CRAFT BEER BASE Brewing Lab / クラフトビアベース
スタイルWheat / ウィート - Weizenbock / ヴァイツェンボック
ABV10.5%
IBU-

0.0☆☆☆☆☆

美と狂気の王“ルードヴィヒ2世”の名を冠したヴァイツェンボック。
オールモルトでアルコールを10%まで引き上げた、優美かつ重量感のある危険な一杯。
Weizenbock named after the Mad King "Ludwig II".
A dangerous beer with elegance and energy of 10% alcohol, by all malt brewing.

CRAFT BEER BASEでは2023年、ビールの4大発祥国を順次特集する。9~11月のテーマはドイツだ。醸造部からもドイツ発祥のビアスタイルを幾つかリリースする。
 今回のリリースはデュンケルヴァイツェンドッペルボック。ビール入門者の方はどこで区切って読めばいいかわからないだろう。デュンケルは“暗い”を意味し、濃色ビールのスタイル呼称でもある。ヴァイツェンは“小麦”を意味し、小麦麦芽を用いたビアスタイル名だ。ボックはアルコール度数の高いラガービールのスタイルで、そこに“2倍”を意味するドッペルがつくと、さらに高アルコール(7~9%)で濃厚なビアスタイルとなる。
 そしてこれらビアスタイルとしてのデュンケル、ヴァイツェン、ドッペルボックは全てドイツ南部バイエルンで発展したものだ。これらが時代を越えて交雑することは想像に難くない。1907年、バイエルンの名門ブルワリー“シュナイダー・ヴァイセ”の女性醸造家マチルダ・シュナイダーが、それぞれの特徴を併せ持つビール“アヴェンティヌス”を開発した。クローブやバナナ、ナツメグやレーズンの香りが高次元で調和した濃厚なビールは人々を驚かせ、多くのフォロワーが生まれた。ビアスタイルとしての“ヴァイツェンボック”の確立である。
 現在では一口にヴァイツェンボックといっても、淡色(ヘラー)タイプのものや、アイスボック製法(ビールを凍結濃縮する手法)でアルコールを10%超まで高めたものなど様々だ。本作はアイスボック製法を適用せず、かつドイツのビール純粋令を尊重してオールモルト(ごく微量の米麹を除く)でアルコール度数を10%超まで引き上げた濃色(デュンケル)タイプだ。3時間の麦汁煮沸を二日連続で行う尋常でないエネルギーを費やした仕込みだった。
 さて、CBB Brewing Labではアルコール度数10%を越えるビールにはEmperorの称号を与えてシリーズ化している。そしてそのビールが属するビアスタイルの発祥地域にゆかりある歴史上の偉大な王の名前をつけている。
 本作に与えた王の名は“ルードヴィッヒ2世”。1864年にバイエルン国王に戴冠した美しい王だ。神話に酔狂し、建築に莫大な資金を費やし、当時危険視されていた音楽家のワーグナーと交流を深め、果ては精神病を理由に廃位された彼は“狂王”と呼ばれ歴史に名を残す。まあ、政治的にはアレだったかもしれないが、なんとも危うげなエネルギーを伴う優美さに満ちた人物ではなかろうか。同じ魅力を持つヴァイツェンボックが象徴的である。

『Emperor 006 - Ludvig Ⅱ- Dunkel Weizen Doppelbock』
Style : Weizenbock
ABV : 10.5%

ブルワリー

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