Maximilian I Quadrupel - Emperor 003 / マクシミリアン一世 クアドラペル - エンペラー003

CRAFT BEER BASE Brewing Lab / クラフトビアベース
スタイルその他 - Quadrupel / クアドラペル
ABV10.9%
IBU35.0

0.0☆☆☆☆☆

修道院スタイルエール3部作の最終作にして、 ハイアルコールビールシリーズ 「Emperor」の3作目。本作は時代と地域が交差して生まれたクアドルペルというビアスタイルであり、中世から近世の過渡期に神聖ローマ帝国を統治した皇帝の名に相応しい。

The final work of abbaye style ale trilogy and the third work of high alchohol beer series 'Emperor'. This beer is brewed as quadrupel style, origine of that is crossover of several different eras and areas, given the name of Holy Roman Emperor of the transition period from medieval to early modern times.

ベルギー発祥の修道院スタイルエール3部作。本作『Emperor 003 Maximilian Ⅰ Quadrupel』は『RED 007 Dubbel』,『estenol 003 Tripel』に続く最終作である。
3部作の中で最もアルコール度数が高く、 味わいも濃厚。 飲み手によっては、これこそがベルギースタイルビールの真骨頂と思うかもしれない。しかしDubbelとTripelに比べて、Quadrupelは発祥の新しいビアスタイルであり、 発祥経緯にも複数の時代と地域が関与している。。
Dubbel (2倍)とTripel (3倍)は元々は醸造学上の用語であり、Enkel(基準)のビールに対する麦芽使用量の倍率を表す (倍率が高いほどアルコール度数も高くなる)。これらの用語はベルギー国内の修道院が運営する各醸造所で19世紀から用いられていた。そして20世紀初頭~中頃にかけて、ウェストマール醸造所が『Westmalle Dubbel』及び『Westmalle Tripel』 で商業的成功を治めたことで国内に多くのフォロワーが生まれ、DubbelとTripelがビアスタイルとして確立するに至った。
一方で、Quadrupel (4倍) という用語が一般化するのは21世紀前後で、ラ・トラップ醸造所が1991年に『La Trappe Quadrupel』をリリースしてからのことだ。そしてラ・トラップはベルギーではなく隣国オランダの醸造所である。
それでも『La Trappe Quadrupel』は人気となり、ベルギーだけではなく海を渡ってアメリカの小規模醸造所でも「Quadrupel」と名の付く銘柄が造られるようになった。 特にアメリカでは既にクラフトビールが流行の兆しを見せており、 バーレイワインなど他のハイアルコールのビアスタイルも人気を博していたので、 Quadrupel は受け入れられやすかったのだろう。結果Quadrupelはビアスタイルとして確立するに至り、それまでQuadrupelとは認識されていなかったベルギーの伝統的な濃色ハイアルコールビールまでもがQuadrupelと同一視されることとなった。以上のことからQuadrupelはベルギーの伝統だけではなく、世界的な流行も影響したクロスオーバースタイルと見て取れる。

さて、 CBB Brewing Labでは自社醸造でアルコール度数10%を越えるビールにはEmperorの称号を与えてシリーズ化している。そしてそのビールが属するビアスタイルの発祥した地域にゆかりある歴史上の偉大な王の名前をつけている。本作は修道院スタイルエール3部作の最終作にして、EmperorシリーズのPyotr I(ピョートル一世)、Gloriana (エリザベス一世) に続く3作目でもあるのだ。本作に与えた王の名はMaximilian I(マクシミリアン1世)。1493年に神聖ローマ帝国の皇帝に戴冠し、その領土はオーストリアを中心に、現在ベルギーとオランダのあるネーデルランド、ブルゴーニュ、ボヘミア、ハンガリーに及んだ。ルネサンスを生き、 近世への過渡期に活躍したマクシミリアンは「中世最後の騎士」 とも呼ばれる。 彼の妻はマリー・ド・ブルゴーニュ。かの傑作ベルギービール 『Ducchesse de Bourgougne』のモチーフとなった女性である。夫婦は政略結婚ながら仲睦まじく、母国語は違ったがラテン語で会話したという。時代と地域の交差によって生まれたQuadrupelというビアスタイルにうってつけのモチーフといえる。

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Batch # 170
Brewing Date 2022/12/15-16
Release Date 2023/01/29

修道院スタイルエール3部作その3
Abbaye Style Ale Trilogy Part 3
Emperor 003 Maximilian I Quadrupel
Beer Style: Belgian Style Quadrupel

ABV: 10.9%
OG: 1.109
IBU: 35
FG: 1.036
SRM: 25

Grain Bill :
Pilsner Malt (68%)
Munich Malt (8%)
Melanoidine Malt (7%)
CaraMunich 30°L (2%)
CaraMunich 60°L (2%)
CaraAroma (3 %)
Amber Malt (2%)
Carafa Special 3 (2%)
Cooking Maillard Sugar (8% ----- After Boil)
Yellow Koji (Trace)

Hops :
Hull Melon (Boil Start 2.0g/L)
Hull Melon (After Boil 2.0g/L)

Yeast:
Lallemand Abbaye (Belgian Style Ale Yeast)

Water (ppm):
Ca 147, Mg 2, Na 15, CL151, SO4 152

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