サトヤマリサーチ アカエゾマツ / Satoyama Research Akaezomatsu

Son of the Smith Hard Cider / サノバスミス
スタイルCider / サイダー - Cider / サイダー
ABV7.0%
IBU-

0.0☆☆☆☆☆

STORY
サトヤマリサーチは、国産ボタニカルを使用したサイダーです。2025 年から日本国土の 75%を占める「山」の恵みをモチーフとした研究開発がスタートしました。 この取り組みの延長上にある「サトヤマリサーチ」は、日本の里山にある様々な植物を素材としてハードサイダーを醸すプロジェクトです。発酵学的な冒険でもありつつ、植物学的なリサーチでもあり、人と山のユニークな関係を巡る文化人類学的な探究でもあります。
第二弾となる本作では、フジリンゴに加えてカヤ、アカエゾマツ、エルダーフラワーをフィーチャーしたボタニカルサイダーです。グラスから立ち上るのは、フジの柔らかな果実香に、カヤとアカエゾマツ由来の爽やかな針葉樹のニュアンスが重なったアロマ。エルダーフラワーのスモーキーなニュアンスは、エルダーフラワー自身を素材として燻製したものを漬け込むという、自己循環的な手法から生まれています。口に含むと、きめ細かな発泡と滑らかなテクスチャーが調和し、農村の静けさや里山の風景、そしてこれから訪れる春の穏やかな風を思わせる、淡く心地よい余韻が静かに続きます。
亜高山帯の針葉樹林と、その麓に広がる果樹園や里山。このあいだを往復しながら、山の樹勢と発酵の営みを一杯のグラスに映し取ることが、このシリーズのテーマです。里山のリサーチと山の恵みの探究は今後も続いていきます。

BREWER'S NOTE

アカエゾマツ(マツ科トウヒ属)/ 産地:北海道・札幌 / 仕入元:日本草木研究所
アカエゾマツはマツ科トウヒ属の常緑針葉高木です。国内の自然分布は北海道の亜寒帯性針葉樹林帯(特に北部・東部山岳地帯、日高山脈)および本州の隔離個体群に限られ、成熟木は樹高 40m・幹径1.5m に達します。赤褐色で薄片状に剥離する樹皮と、四角断面の短い針葉(長さ 6〜10mm)が本種の形態的特徴です。札幌は北海道の中心都市でありながら、円山原始林・藻岩山など市内に原生的な針葉樹林帯を残す国内でも稀有な都市であり、アカエゾマツの良質な産地として知られます。葉・枝から得られる精油の主成分はボルニルアセテートで、これが森林浴様のクリーンな香りをつくる主因です。次いで α-ピネン、カンフェン、カンファー、β-フェランドレンが続きます。ボルニルアセテートはストレス緩和効果も実験的に確認されており、このサイダーが「里山の静けさ」を想起させる香気的根拠ともなっています。

カヤ(イチイ科カヤ属)/ 産地:山梨県・富士吉田 / 仕入元:日本草木研究所
カヤはイチイ科カヤ属の常緑針葉高木です。富士吉田市が位置する富士山北麓(標高 800〜1,000m)は、モミ・ツガ・ブナを主体とする冷温帯混交林帯にあたり、カヤが自生するのに適した環境です。富士山という日本を象徴する霊峰の麓に育つカヤは、日本の山岳文化との深い結びつきを体現しており、本プロジェクト「サトヤマリサーチ」のコンセプトと高い親和性を持ちます。成長は非常に緩慢で、幹径 1mを超えるには 300 年以上を要するとされる長命の樹種であり、葉を【指で】揉むと特有の芳香を放ちます。葉の精油はモノテルペノイドを中心に、D-リモネン、δ-3-カレン、α-ピネンが主体です。この組成は爽やかで柑橘的な基調に針葉樹的な樹脂ニュアンスを重ね、カヤ特有のセスキテルペンであるtorreyol がウッディで深みのある余韻を加えます。
北の亜寒帯針葉樹林帯(北海道・札幌産アカエゾマツ)と、霊峰富士の北麓(山梨・富士吉田産カヤ)というふたつの産地は、日本列島を縦断する針葉樹林帯を一杯のグラスに凝縮するという、このシリーズのテーマを地理的にも体現しています。日本草木研究所という専門機関を介した調達は、植物の同定精度と持続可能な採取の観点からも、プロダクトの信頼性を高める重要な要素です。

SPEC
LOT No.: SR-2605A
Style: ボタニカルサイダー / Botanical Cider
ALC: 7.0%
Apples:Fuji
Yeast: Wild Yeast (including native microflora)
Botanicals: Japanese Torreya, Akaezomatsu, Home grown Cascade, Elderflower

Reference
1. Takeyama, M., Kohari, Y., & Murata, M. (2024). Chemical composition of
essential oils obtained from Picea glehnii (F. Schmidt) Mast. grown in Hokkaido, Japan. Journal of Essential Oil and Plant Chemistry, 2(2), 99–103.
https://doi.org/10.58985/jeopc.2024.v02i02.49
2. Park, C., Kim, N., & Park, M.-J. (2025). Seasonal and regional effects on the
yield and bioactive constituents of Torreya nucifera essential oils in South Korea. Plants, 14(21), 3370.
https://doi.org/10.3390/plants14213370

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