Sierra (000) / シエラ 000

スタイル	Cider / サイダー - Cider / サイダー
ABV	7.0%
IBU	-

0.0☆☆☆☆☆

STORY
サノバスミス Sierra は、長期間の熟成を経て完成した最も特別なヘリテイジラインです。丹精込めて栽培した醸造用品種、繊細な野生酵母群、微細酸化による緩やかな熟成変化、そして絶妙なバランスを創造するブレンディング——全てのプロセスにおいて時間をかけ、じっくりと丁寧に技巧を尽くして仕上げたヘリテイジバレルエイジドサイダーです。本製品（000）は、Porter's Perfection のみで主発酵後に秩父バーボン樽で 1年間熟成させた原酒と、Ale 酵母で主発酵させた Yarlington Mill 原酒をブレンドしました。これまでリリースした (001)から(008) と本製品が異なる決定的な点は、ブレタノマイセスを使用していないということです。ブレタノマイセスの熟成による影響を対照実験的に観察するため、あえてこのキュヴェでは主要菌株を除外しました。
それはまるで雄大な連峰。数々の困難や労力を重ね登り上げたその数だけ、筆舌に尽くしがたい程の美しい景色が眼下に広がります。Sierra は、まるで未踏の頂ひとつひとつを目指すかのように、自然の力の豊かさとサイダーカルチャーそのものの奥深さを表現した作品になります。

BREWER'S NOTE
(000)は、Porter's Perfection のみで主発酵後、秩父バーボン樽で 1 年間熟成させた原酒と、Ale 酵母で主発酵させた Yarlington Mill 原酒をブレンドしました。リンゴの栽培に 1年、主発酵とバーボン樽熟成に 1 年、瓶内での熟成に 3 年、合わせて畑から 5 年を経て、満を持してのリリースとなります。バーボン樽に使用したアメリカンオークは、フレンチオークと比べて年輪幅が広いという特性を持ちます。この広い年輪幅は、樽成分の抽出を短期間に促進し、樽熟成による力強い樽感の獲得を可能にします。同時に、アメリカンオークに由来するバニリンやカラメルのニュアンスが、製品に豊かな複雑性をもたらしています。(000)の構造の根幹をなすのは、二つの異なるタンニン源の相互作用です。Porter's Perfection に含まれるタンニン（縮合タンニン/プロシアニジン）は、唾液中のタンパク質との結合を通じて主にアストレンジェンシー（渋味・収斂性）を生成します。一方、木樽に由来するタンニン（加水分解性タンニン）は、味覚受容体への直接作用によるビタネス（苦味）と、より柔軟で包括的な渋味の両方をもたらします。これら異なる物理化学的機序で生成される二つのタンニンが、複雑で調和のとれたマウスフィールを創造しています。（000）のみが、ブレタノマイセスを使用していないサイダーとなります。これまでリリースした (001)から(008) の全作品群はブレタノマイセスを活用したものであり、本製品を対照群として設定することで、ブレタノマイセスの熟成による香気・味覚への貢献を明確に評価することが可能になります。野生酵母の複雑な代謝産物が、長期樽熟成という環境下でいかなるニュアンスを醸成するのか——その問いに対する答えは、本製品との飲み比べを通じて体験できます。

SPEC
LOT No.: SI-2512I
Style: ヘリテイジバレルエイジドサイダー / Heritage Barrel-Aged Cider
ALC: 7.0%
Apples: Porter's Perfection (98%), Yarlington Mill (2%)
Yeast: Wild Yeast (including native microflora), Ale Yeas
With: Homegrown Aging Cascade
Aged in: Chichibu Bourbon Barrel

ブルワリー