Hand over / ハンドオーバー

Mountain River Brewery / マウンテンリバーブルワリー
スタイルその他エール - Fruit Ale / フルーツエール
ABV4.5%
IBU20.0

3.0★★★☆☆

高知県中土佐町の中里自然農園の無農薬文旦を使った
フルーツエールのハンドオーバー。
新代田のand CURRYの阿部さんからのつながりで作り始めて、早3年目のシーズンビールです。
大きな文旦を、手渡ししてつながっていくようなイメージです。
味わいについては知っている方もいると思うので、後半に書いています。

3年目のハンドオーバー。これまでと違うところは使っている文旦の量。
1,2年目に使っていた量から、今年は3割ほど減りました。
暑すぎる夏や、冬に温暖な高知で寒波で雪が降るといった気候の影響などで、
収穫できる文旦が減ってしまったということでした。
中里さんのところだけでなく、今シーズンは四国や他のところでも、文旦やみかんなど柑橘類の収量が厳しいという話を聞いています。

収穫した後に中里さんから、収穫量が例年より少ないので、近所の方のものを追加で送りましょうかという話になりました。
中里さんの文旦だけで作るか、いつも通りの量を確保するために他の文旦も使うか、これは正直悩みました。
出した結論は、中里さんの文旦だけで作る。

自然の厳しさをそのまま受け止めて、収穫できたものにありがたさを感じてみようと思ったのがきっかけです。
ワインは農産物の延長線にあるもので、ビールは工業製品のように見られることがあります。
ワインは毎年作られるぶどうの出来栄えによって、その年の味わいや作れる量が左右されやすいことから、農産物の延長線にあるもの。
対してビールは、大手のビール工場のように大規模で機械化が進んだところで作られているイメージが先行しているので、均一にできる工業製品のように思われてしまいがちです。
保存性の良い麦が主原料で、ホップも保存しやすい形で流通しているので、ワインのように年1回ではなく、季節を問わず作ることができるとはいえ、麦もホップも生産者がつくる農産物。
ビールも農業と密接につながっていると僕は考えています。

そして果物など副原料を使ったビールは、マウンテンリバーにとって大切な要素の1つ。
その副原料は、中里さんのようにつながりのある生産者が育てたものをできるだけ使うことを、自分たちのテーマの1つとして掲げています。
収穫した農産物を託されることで、農業をより身近に感じながらビールを作っています。
畑で起きていることや、生産者の営みをビールを通じて伝えられたら。そう思うと、文旦の量にこだわりすぎず、今年の文旦はこうだったと、伝えられるようなビールにしようと思いました。
文旦の量は今までよりも少なめではありますが、木になった果実が少なかったことで、1つ1つの味が凝縮したのではないかということ。文旦の外皮の加工方法を変えたことで、フレッシュな香りがクリアに感じられるようになったので、今年もいい感じに仕上がっています。
今年ならではのハンドオーバーを是非味わってみてください!

ビールの概要もご一読を。
文旦を搾った果汁と、むいた皮を漬け込んで香りをつけて、文旦の風味をあますことなく引き出して作ったビール。
柔らかな文旦の酸味。さわやかなシトラスの香り。
ホップは控えめに、文旦のほろ苦さを感じるように作っています。
飲みやすく、すっきりとした飲み口は食事との相性が良く、
スパイス料理や餃子のようなパンチのある食事にはすっきりとして、食が進むように。
イタリア料理や塩味の焼鳥との相性も良く、和食にもなじむような味わいです。

Hand over
Style: Fruit ale with Buntan
Style:フルーツエール
ABV:4.5%
IBU:20
Malts:Pilsner、Wheat、Sour
Hops:Citra
Special:文旦

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