English Barley Wine / イングリッシュバーレーワイン

CRAFT BEER BASE Brewing Lab / クラフトビアベース
スタイルその他 - Barleywine / バーレーワイン
ABV8.0%
IBU-

0.0☆☆☆☆☆

主流のアメリカンスタイルではなく、少し珍しい伝統的なイングリッシュスタイルのバーレイワイン。その中でも比較的アルコール度数を抑えて優しい甘味を残し、飲みやすい仕上がりにした。

Barley Wine that is not a mainstream American style but a little rare and traditional English Style. This easy to drink English Barley Wine has relatively low alcohol and soft sweetness.

CRAFT BEER BASEでは2023年、ビールの4大発祥国を順次特集する。3~5月のテーマはイギリスだ。醸造部でもイギリス発祥のビアスタイルをいくつか造ってリリースしてきた。
今回がイギリス特集で最後のリリースである。ビアスタイルはイングリッシュ・バーレイワイン。イングリッシュ・インペリアル・スタウトと双璧を成すハイアルコール・ビアスタイルのルーツのひとつだ。
特集期間中、バーレイワインを含む多くのイギリスのビアスタイルに改めて向かい合って思ったことがある。それは、ビアスタイルにアルコール度数の低いものから高いものまで幅があり、どのアルコール帯のものも主役級に個性が立っていることだ。その背景には、Invalid Stoutのシートでも書いた禁酒運動がまず挙げられるが、もう一つ技術的な観点も紹介しておく。
それはパーティ・ガイル法と呼ばれる現代では用いられない独特の醸造方法である。詳しくは割愛するが、要は一度の仕込みで複数の異なる糖度の麦汁を得て、それらをそれぞれ別々の容器に送り、異なるアルコール度数のビールを醸造する手法だ。元の麦汁の糖度が高い程アルコール度数も高くなる。
最もアルコール度数が高いビールは、寒い冬のために、あるいは年に一度の祭事のために、直ぐには飲まずに熟成された。これが今日のバーレイワインに発展した。逆に最もアルコール度数が低いビールはマイルドエールなどに発展していった。低アルコールのビールは放っておくと微生物に汚染されて酸味が出てくるため、高アルコールのビールとブレンドされることもあった。こういった独特の醸造方法やブレンドの手法が、イギリスから様々なアルコール度数の個性的なビールが発祥した背景のひとつであると考えられる。
さて、イギリス発祥のバーレイワインは近年アメリカで発展して、アメリカン・バーレイワインとなる。イギリスのそれよりもさらにアルコール度数が高く、ドライで、ホップの香りと苦味がはるかに強い傾向にある。実は現在人気のあるバーレイワインの銘柄はほとんどがアメリカンスタイルであり、イングリッシュスタイルはほぼお目にかかれない。
本作はイングリッシュスタイルだが、その中でもかなり優し目の仕上がりとなった。残糖度が高く、実際の飲み口も非常に甘味が強い。アメリカンスタイルに慣れた方からすると相当飲みやすく感じるだろう。それでもアルコール度数は8%あるので、気が付けば酔いが回るのでご注意を。

--
Batch # 181
Brewing/Tasting Sheet
Brewing Date 2023/04/04-05
Release Date 2023/05/27

English Barley Wine
Beer Style: English Style Barley Wine

ABV: 8.0%
OG: 1.091
IBU: 30
FG: 1.036
SRM: 13

Grain Bill :
Maris Otter 59%
Pilsner 22%
Munich Type1 9%
Cara Munich Type1 2%
Cara Munich Type3 2%
Malt 6%
Yellow Koji Trace

Hops :
Magnum Boil ST 1.0g/L
Stylian Goldings Boil ED 5.0g/L
Cascade Boil ED 1.5g/L

Yeast :
Lallemand Windsor (English Ale Yeast)

Water (ppm) :
Ca 97 Mg 2 Na 15 Cl 100 SO4 102

ブルワリー

このブルワリーの他のビール

こちらのビールもおすすめ