Kabosu Saison 2023 初摘みVer.

別府ブルワリー / Beppu Brewery
スタイルその他 - Saison / セゾン
ABV4.0%
IBU-

0.0☆☆☆☆☆

別府産かぼすを使用し、湯あがりにさらなる爽快感を足すサワーセゾン。今年採れたかぼすの果皮と果汁を使用した特別バージョン!フレッシュですっきりした酸味があなたをかぼすの大ファンにさせます。

かぼすは大分県を代表し国内の95%以上を生産する香酸柑橘のひとつです。香酸柑橘とは、レモン、ゆず、すだちなどの香りが強いけどそのまま食べるには酸味の強い柑橘類のことをさします。かぼすには収穫されるシーズンがあり、通年ではなかなか出回りません。そのため通常の「Kabosu Saison」ではかぼす果汁のみを使用して、通年でご提供できるようにしています。今回は特別バージョンとしてかぼすがまだ青い状態で収穫される9月の採れたてのものを使用しました。その量は24kg!絞ってとれる果汁のみでなく、果皮の部分も発酵後に漬け込んで香りを移しました。
それ以外の部分は小麦ベースに柑橘香が特徴のホップとイーストを使用して、小さな微調整を除けばほとんど通常の「Kabosu Saison」と同じレシピ構成となっています。フレッシュなかぼすが通常版とどう違うかお楽しみください。

飲んでみるとしっかりとかぼすが分かる柑橘香。他で例えるとゆず、オレンジ、みかんの果実やみかんフレーバーのグミのような香り。バックにはセゾンイーストによるブラックペッパーや、ホップによるシトラス、フローラルに加えてウッディーさと、小麦を中心としたモルト由来のパンのような香りもします。かぼすらしいしっかりとした酸味に、ほんのりとした甘さとボディがバランスを取ってくれます。

とにかく手間がかかったのがかぼすの加工です。普段はかぼす果汁を入れるだけですが、今回はスタッフを集めて4人の手作業で約6時間かけて加工をしました。具体的にはゼスターでかぼすの果皮の中でも表面だけを削り取り、1個1個ジューサーで果汁を集めました。
なぜそこまでしたのかというと、かぼすのいいところだけを抽出したかったからです。柑橘類の香り成分であるエッセンシャルオイルは果皮の中でも色のついているところ・白くないところに集中しています(みかんの皮を折ると飛び出してくる汁もそうですね)。むしろ白いところは苦味があるので、これをビールに入れるとそれなりの苦味がついてしまいます。これをうまい塩梅で使うとそれはそれでいいのですが、自分にはまだその実力はありません笑。特にかぼすは果実が小さく、白い部分が多いので、ピーラーで剥くだけだとそれなりに苦味が出ます。そこでピールではなくゼストにこだわり表面の削り集めました。また、しぼりたてのかぼす果汁はいつもよりも香りもフレーバーもしっかりと出ていたので、集めてからは出来るだけ酸素に触れて酸化しないように注意を払いました。
この苦労の甲斐もあり、出したかったかぼすの様々なキャラクターがしっかりと出て、一方でそれをジャマする要素がほとんどなくなりました。かぼすに馴染のない方にかぼすを説明するときは、個人的に香りがゆずとオレンジのミックス、フレーバーがみかんとライムのミックスだとよく話しています。かぼすの表現はみなさんそれぞれで「かぼすはかぼす」とおっしゃる方もいます。そのような中で自分がかぼすに対して思っているイメージが表現出来ている分それなりに満足しています。
かぼすのポテンシャルは高いです。料理では魚や揚げ物、汁物など様々なところで活躍できます。それを超えてビールを含めたお酒でももっと活用されるべきだと思っています。県外の方々へはお問い合わせいただければかぼすを送ったりしたいぐらい魅力があります。いつかはゆずビールのようなれっきとした1つのカテゴリになったらいいなとテイスティングしながら思いました。

Kabosu Saison 2023初摘みver. | Fruited Sour Saison w/ Fresh Kabosu | 4.0%

ブルワリー

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