Old Buddy / オールドバディー
忽布古丹醸造 / HOP KOTAN BREWING (ホップコタン)スタイル | ペールエール - Pale Ale / ペールエール |
ABV | 5.5% |
IBU | 39.0 |
今回のコラボビールを語るには、私(堤野)が約15年前に志賀高原ビールの代表、佐藤栄吾さんと出会ってから現在に至るまでのストーリーに触れる必要があるのですが、触れてしまうとそのストーリーだけで論文並みの長文になりそうなので、出来るだけビールのコメントにフォーカスするつもりです。
私が尊敬し、また恩人でもある栄吾さんからCollaboration Brewのお誘いをいただいたのは今年の4月。なぜ志賀高原ビールが忽布古丹醸造と?そう思う方も多いかもしれません。
答えを一言でいうと「同じ釜」を使用していたから。そう、忽布古丹醸造が創業時より使用している醸造釜は、志賀高原ビールが以前(創業時から)使用していた醸造設備を、栄吾さんのご厚意によりお譲りいただいた大切な釜なのです。
約10年前(私がNORTH ISLAND BEER在籍中)には一度、志賀高原ビールでコラボ仕込みをさせていただいているので、私としても思い入れがある醸造釜を忽布古丹で使用させていただいていることになります。
それから10年、今年は志賀高原ビールがビール醸造を始めて20年の節目の年。そこで、志賀高原ビールの20年を振り返るうえで外せない存在だったのが「同じ釜」というわけです。
ではこの二人(二社)が使用してきた「同じ釜」で、今回どんなビールをつくろうか?
志賀高原20周年のメモリアルビールとなると、もちろん失敗は許されませんし、20周年に華を添える派手なビールがいいのかな?など考えてはみましたが、私がまず一番最初に思い浮かんだのが、20年前に栄吾さんが「同じ釜」で仕込んだ一番最初のビール。それが一番メモリアルになるのではないかと。
栄吾さんとビアスタイルを決める話し合いの中では、得意分野であったり、流行りだったり、過去のコラボだったりと、一応候補らしいものをあげてはみるのですが、結局お互いがつくりたいと思ったのは、志賀高原ビールの記念すべき初仕込みである「Pale Ale」でした。即決です。
では、どんなペールエールをつくりましょうか?
志賀高原ビールの初仕込み、「同じ釜」での最後の仕込み、そして現在の設備での仕込み、すべてのレシピを見させてもらい、悩むのです。
現在のペールエールに似せるだけじゃ面白くない。やはりここは「同じ釜」で仕込んでいたころのペールエールに寄せて、さらに私の記憶にある私が大好きな「志賀高原Pale Ale」をベースにさせてもらいました(もちろん現在のPale Aleも大好き)
今と20年前とで、そんなに大幅なレシピ変更があるわけではないのですが、やはりビールにも流行りはあるもので、アメリカンスタイルのペールエールも、現在の主流なペールエールと比較すると、以前はモルトのボディやカラメル感が強い印象です。その分、見た目のカラーも昔のペールエールのほうが濃い目のものが多かったように思います。
今回のビールをつくるうえで意識したのは、モルトについてはクラシックな志賀高原ペールエールのレシピに寄せて、モルト感、カラメル感を主張しつつも、クリーンな飲み口に仕上げること。
そしてモルト以上?に今回のビールで肝となるのは、もちろんホップ!!!
志賀高原ビールさんがホップを栽培しているのは皆さんご存じかと思います。国内ブルワリーのホップ栽培先駆者ですからね。そして我々忽布古丹は稲葉さんが栽培する上富良野町産のホップでビールを醸すために誕生したブルワリーです。
お互いが地元で栽培したホップをここで主張せずに、いつ主張するの?今でしょ!!
ということで、今回のペールエールは、お互いの町で育った国産カスケードのシングルホップで仕込みました。
このビール、
志賀高原ビール×忽布古丹醸造のコラボでもあり、
山ノ内町産ホップ×上富良野町産ホップのコラボでもあるのです。
品種は同じカスケードでも、テロワールと言えば大袈裟かもしれませんが、やはり2つのカスケードにはそれぞれの特徴があり、またペレットホップとホールホップによるそれぞれの特徴もあるので、シングルホップとは思えない、ホップの表情が豊かな仕上がりになったと思います。また、志賀高原ビールPale Aleでは通常使用しないタイミングで山ノ内町産ホップを使用することで、全体に程よいキレとまとまりをがついたと思います。
モルトとホップ、それぞれの主張とバランスをお楽しみいただける、そんなビールに仕上がったのではないでしょうか。何かが突出していない、それがペールエール。そんなペールエールでも飽きることなく何杯でも飲みたくなる。きっと皆さんにもお楽しみいただけるビールになったと思っています。
今回のビール、「同じ釜」を使う者同士のコラボレーションです。仕込みは、ただ同じ空間にいるだけではなく、栄吾さん、そして工場長の松澤さんにもきっちりと汗を流してもらい、2社のブルワー達がガチンコで仕込んだビールです。
志賀高原ビール×忽布古丹醸造の共同作品、
「Old Buddy -Shiga Kogen Pale Ale!?-」
ぜひお試しください!!
志賀高原Pale Aleとの飲み比べもおすすめです。
(このビールがほんの少しでも栄吾さんへの恩返しになると嬉しいな)
Sep. 2024
Old Buddy
Shiga Kogen Pale Ale!?
ABV
5.5
IBU
39
--
忽布古丹醸造さんでのうれしいコラボ、完成です!
うちの20周年ということで、思い出の最初の設備でどうしても仕込みたくてお願いしたやつ。
苦楽を共にしてきた、工場長、元BUAISO君とお邪魔して仕込んだ大事なビールです。
その名も、
Old Buddy / Shiga Kogen Pale Ale!?
そう、我が長年の友と、懐かしい設備で仕込んだから、Old Buddy。
気づけば、ペールエールって、もしかしたら最近、一番くらいに売れないスタイルだったりします。
でも、志賀高原ビールの原点はペールエール(だし、いまだに IPA 並の主力商品)。
今回、懐かしの設備での仕込みで、やっぱりペールエールを仕込みたいと最初から思っていながらも、堤野君には、
「やっぱり、売れるし IPAとかの方がいいかな?」
なんていっている自分がいました。
でも、
「いや、ペールエールでしょ」
って、返してくれるのが愛する北の人。
最高にうれしいよね。
出来上がったのは、こんなやつ。
シンプルなスタイルなのですが、お互いのこだわりは相当です。
最初から今に至る、うちのペールエールのレシピを全部みてもらって、堤野君が選んだレシピは、クラシックな「志賀高原ペールエール」。
「クラシック」といっても、そんなにいまと大きく違うわけではないのですが、でも、ちょっと今より色は深め。
逆にホップはシンプルに、カスケードのみ。
と、いっても、HOPKOTAN / 稲葉さんの上富良野さんカスケードと、うちのカスケードの二種類。
そこに、うちとは一味違う忽布古丹流のこだわりの仕込みテクニックも。
今日、北海道からサンプルが届きました。
ちょっと緊張しながら、みんなで試飲。
すぐに笑顔です。
なんだか20年前を思い出す色のビール。
ホッピーでモルトの味わいを感じるんだけど、それでいてクリーンでドライ。
カスケードしかつかってないはずなのに、二つの個性が合わさって、退屈じゃない。
キレイが売りの HOPKOTAN さんに、ちょっと下品さが加わっていてうれしかったな。
もちろん、うちのペールエールと一緒に飲んだのですが、どちらもいい。
ずっと、堤野君本人は自信があったみたいだけど、納得です。
「苦節二十年」でデビューです!
(From Shigakogen Website)
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ブルワリー 忽布古丹醸造 / HOP KOTAN BREWING (ホップコタン)
北海道空知郡上富良野町西8線北33号
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