Siciriya

PASSIFIC BREWING / パシフィックブルーイング
スタイルその他 - Table Beer / テーブルビア
ABV9.0%
IBU-

0.0☆☆☆☆☆

茅ヶ崎の気まぐれ屋台料理「カナリヤ」の7周年を記念し、ビールが持つ食中酒としての可能性を最大限に引きだすべく、複雑な原料の組み合わせで醸造しました。明るい酸や高めのアルコールがベースとなり、"食事と一緒に味わう"ということができるユニークなビールになりました。
Illustlated by Ryu Ambe ( @ryuambe )


—memo—


茅ヶ崎の気まぐれ屋台料理「カナリヤ」( @kanari.ya )の7周年を記念したビールができました!

昨年まではSlurp/酸羅愛鳧というビールを一緒につくってきましたが、初めてつくった時から3年たって、カナリヤでのクラフトビールの楽しみ方の幅もだいぶ広がってきたこともあって今年は新しいものに挑戦してみよう!と。

色々な話しをしたのですが、まず大切にしたいのは食中酒であるということ。僕らもカナリヤも食べること、飲むことが大好きなので、当然外せないところなのです。
客観的にみても食中酒として最も飲まれているもの、もしくは頭に浮かぶものってワインなのかなと思います。日本なら次点で日本酒なども挙がるかと。クラフトビール、もしくは一般的なビールというのは食前酒的にとりあえずって感じで選ばれることが多いのかなとも思います。

でも、僕らの共通意識の中でビールは最良の食中酒になるのではないか?という期待のようなものは持ってまして、理由は色々あるのですが他の酒にはない要素、つまりホップの苦味がキーになるのではないかと思っています。
ワインと日本酒はある意味似たもの同士で、醸造酒の中では高めのアルコール(15度前後)ですし、単一原料(ぶどうや米)のみでつくれています。当然それぞれに奥行きや複雑性を表現するための工夫が施されているのですが、どうしても単調、もしくは抑揚に欠けると思うことがあるのもまた事実です。
そういった意味でも、ビールにおけるホップというのは実に絶妙な役割りを果たしていて、苦味は甘味をいい意味で打ち消してくれるので味にメリハリがつくし、食欲を増幅してくれます。

これらのことから今回目指した最良の食中酒をすごく端的に表現すると、ワイン的な要素を持ちながらもホップによる苦味や香りをまとうことで、より抑揚をもったお酒と言えるかと思います。
"ワイン的"という言葉は、ビールの世界でいうと"白ブドウの香り"とか、ワイルドエールのような"雰囲気がワインに近いもの"というパターンが多いですが、今回特に意識したポイントは3つあって、それが"はっきりとした発酵系の香り"、"しっかりとしたアルコール感"、"重たさを緩和する酸味"です。
これらの因数分解した要素をビールというフォーマットに落とし込みながら仕込みを行いました。

小難しい話しが続いてしまってすみません。肝心の仕上がりの話しにうつります。色は明るいイエローで9%と高めのアルコールからかなりはっきりとしたアロマを感じます。エステルや柑橘類、そして許容できるレベルでの揮発酸系の香りなどです。口に含むと柑橘系の酸味がキュッとしますがモルトの甘味やアルコール分の厚みからほどよくボディも感じることができます。後味には酸の余韻や甘さがあるのですが、タンニンともまた違った軽めの苦味がしっかりと全体を引き締めてくれます。

ビールを食中酒とする場合、口内をさっぱりとさせたり、流し込む役目が多いかと思うのですが、このビールは食事と一緒に咀嚼してしっかりと口内で味わいたくなる雰囲気です。ですが、ビールらしい後を引かないバランス感でもあって、実に個性的な仕上がりだなと思えるのです。

カナリヤの提案がきっかけで挑戦できた新しいビールを、是非食事と一緒に思う存分楽しんでもらえたら幸いです!

【Siciriya】
Style:Kanariyan Table Beer
ABV:9.0%

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カナリヤ / Kanariya
https://my-beers.com/bars/834

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