#40 Miso (KADOLABO)

伊勢角屋麦酒 / ISE KADOYA BREWERY
スタイルその他エール - Wild Ale / ワイルドエール
ABV7.0%
IBU-

0.0☆☆☆☆☆

KADOLABO 040 Misoは、神久工場のバレルハウスで2年あまり熟成させたサワーエール原酒を、我々が100年以上にわたり溜まり味噌・溜まり醤油を仕込んできた味噌樽で追熟し、ブレンドして仕上げたワイルドエールである。

発端は、一人のお客様からいただいた「味噌樽でビールを熟成させてはどうか」という提案だった。その一言が、神久工場の空き部屋をバレルサワー専用の熟成庫へと改装させることになる。

味噌樽は杉でつくられた和樽である。オーク樽が持ち込むのがバニラを思わせる木由来の香気だとすれば、味噌樽が持ち込むのは塩と、蔵付きの菌だ。性質のまったく異なる二つが、同時にビールへ入ってくる。標準的なバレルエイジングの文脈には存在しない条件であり、参照できる先行研究はほとんどない。

原酒には、Medianと名づけたサワーエールを用いた。ビール酵母で発酵させたのち、フレンチオーク樽でBrettanomyces lambicusを軸とする混合菌叢へ引き渡し、2年あまりを過ごさせている。

和樽は多孔質で液体の浸透が速い。味噌樽での追熟は1ヶ月半にとどめ、さらに全量ではなく、一部をブレンドに用いた。

熟成庫に並ぶ8本の樽は、同じ原酒を分け入れたものでありながら、2年を経てそれぞれ別の表情を見せていた。その突出を均し、味噌樽由来の塩気を液体として成立する水準まで絞り込んで、一本にまとめている。

瓶詰めののち、約3ヶ月の瓶内二次発酵を経て、2026年8月にリリースした。

外観はアンバーカラー。もともとライトゴールドカラーだった原酒に、チェリーを用いたバッチの赤みと味噌樽から引き出された色合いが重なり、琥珀色に落ち着いている。香りはトロピカルさと酸、その奥にオーク由来のバニラと、味噌蔵を思わせる発酵香。

口に含むと、強い塩味と酸が立ち上がる。刺激的な味わいだが、最初のひと口が持っていく力は強い。何人かで分け合い、少しずつ味わっていただきたい。

瓶のなかでは依然として微生物が生きている。常温で置けば、その働きとともに香味はゆっくりと表情を変えていく。それは劣化ではなく、ワイルドエールならではの熟成である。

味噌樽は味噌づくりのなかで使い込まれてきた一点ものであり、同じ条件をもう一度そろえることはできない。040 Misoは、文字どおり一度きりのビールだ。限定特約店にのみお届けする。

ブルワリー

このブルワリーの他のビール

おすすめのビール