Pomb / ポム
PASSIFIC BREWING / パシフィックブルーイングスタイル | サワー - Sour / サワー |
ABV | 5.5% |
IBU | - |
酸味が特徴のサワーエールを、ホップもたくさん使って仕上げました。
乳酸発酵による香りとホップの組み合わせで、プラムやライチなどを思わせる味わい。
口に含むと小さな果物が弾けたような、そんな感覚になる楽しい味わいのビールです。
----memo-----
人間は遥か昔から、食糧を安全に保存するために“酸”と上手に付き合ってきました。
身近な食べ物でいうと漬物やヨーグルト、チーズなどもそうですね。
もちろんお酒の世界でも“酸”との付き合いは深く、日本酒の“生酛造り"なども"酸"を味方にして酒を作る方法です。
ビールにおいても"酸"のあるものは各地に点在したようです。
なぜ酸っぱいのか?という問いの答えはとてもシンプルで、乳酸菌による発酵で“乳酸“が生じるため。
このビールも通常のビール酵母による発酵に加えて、乳酸菌による発酵の過程を加えることで酸味が生じています。
乳酸発酵で生じる香りや酸味はホップとの相性もよく、通常のビールにはない表情を見せるのはとても面白いところです。
例えば今回で言うと、桃や杏のような香りのするホップに酸味の要素が組み合わさることで、プラムやライチのような印象に。
これは一種の錬金術のようでもありますよね。
お酒、及び発酵食品全般に言えますが「使っていない原材料の味がする」というのはとても面白いことであり、大切なことだと思っています。
その昔、今よりずっと手に入るものが少なかった時代に発酵という力はきっと食べるもの、飲むものの面白さもグッと奥深くしたのではないでしょうか。
このビールも口が曲がらないくらいの程よい酸味に、小さな果物のような味や香りが組み合わさりとても心地良い仕上がりとなりました。
おまけ
酸味の生みの親。
本文でも触れましたが、今回のビールに酸味があるのは乳酸菌による乳酸発酵が行われているから。
今回はOmega Yeast社の”Lacto”というブレンド乳酸菌を使用して乳酸発酵をしました。
ひと口に乳酸菌と言っても色々と種類がありまして今回使ったものは「ラクトバチルス属」で、さらにその中の”Brevis”と”Plantarum”という種のブレンドになります。
当然、乳酸菌の種類によって酸の強弱や香りに違いがあります。
矛盾しているようですがそもそも、乳酸菌はビール造りにおいて大敵。
世の中のビールが全て酸っぱかったら嫌ですよね?
なので、複合汚染を避けるために”ケトルサワリング”という手法を使って乳酸発酵をしました。
ケトルサワリングとは呼んで字の如くで「仕込み釜で乳酸発酵」を行うという意味です。
通常通りのプロセスで麦汁を作るのですが、でき上がった麦汁を冷ました後、発酵タンクに移さずに釜に再び戻していきます。
この時は、乳酸菌の発酵に適した32℃まで温度を下げました。
また乳酸菌は”嫌気性発酵”なので釜の中の空気を二酸化炭素で押し出し酸素に触れにくい状態をつくってあげます。
こうして仕込み釜を発酵タンクに見立てて24〜72時間かけて乳酸発酵をしていきます。
この日は約24時間でpHが3.3まで下がりました。(普通のビールは発酵前で5.2前後、発酵後でも4.2程度)
この後、乳酸菌を死滅させるために麦汁の温度を80℃まで上げます。
このように仕込み釜で発酵をさせることで、発酵後に乳酸菌を完全に死滅させられるのが“ケトルサワー”の最大のメリットです。
こうすることで発酵タンクやそこに至る器具内などで乳酸菌が繁殖するのを防ぐことができるのです。
その後のプロセスは通常のビールの造りとほぼ同じ。ビール酵母がアルコール発酵をし、必要に応じてドライホップなどをすれば完成というわけです。
ちなみに”ランビック”などに代表される自然発酵のサワービールなどはこれとは全く異なるプロセスで作られ、野生酵母や乳酸菌、ビール酵母が代わる代わる登場しそのプロセスはおよそ2年以上にも渡ります。
ブルワーなら誰しも?憧れる世界。
もちろん僕らも憧れの世界。いつか、必ず!
--
【Pomb】
Style:Dry Hopped Sour
ABV:5.5%
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ブルワリー PASSIFIC BREWING / パシフィックブルーイング
神奈川県茅ヶ崎市萩園2644−3
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