Slam Jam / スラムジャム

別府ブルワリー / Beppu Brewery
スタイルサワー - Sour / サワー
ABV4.0%
IBU-

0.0☆☆☆☆☆

100kg分のイチゴを使用した甘酸っぱいサワーエール。ジャムのようなイチゴフレーバーに後からレモンとスペアミントのスッキリ感が合わさります。バレンタインまで待てない!

ベースとなるビールには少しモルティなキャラクターに食パン感が欲しかったので、シンプルなレシピながら配分として通常よりも多めのMelanoidin MaltとWheat Maltを加えてあります。また、使用したイチゴはイチゴ感をしっかりと出すために350Lのビールに対してピューレで100kg分も加えました。レモンはゼストにして、発酵後にスペアミントと一緒にビールに漬け込み、最後にイチゴを加えています。

今回のサワーエールもKettle Sourで仕込んでいます。3回目ということもあり、一晩かかる乳酸菌発酵の作業も大半は立会いが不要となり、また乳酸菌にとってもっと最適な環境を設けることで短時間化も出来るようになってきました。乳酸菌発酵は不必要に長い時間をかけると雑味が出るため、これもコスト削減だけでなくフレーバーにも良い影響が出ているかと思います。
テイスティングとしてはトーストに塗ったようなイチゴジャムの香りがメイン。レモンのスッキリ感とスペアミントのさわやか感のある香りがあとから出てきます。フレーバーはイチゴの甘さに乳酸発酵由来のすっきりとした酸味が合いドリンカブルな印象。

販売開始の2月はバレンタインですね。そろそろ季節やイベントに合ったビールを出そうと考えていて、クリスマスは周年と重なり作れなかったのでバレンタインのビールを作ることにしました(バレンタイン後に売れ残ってもどうか避けないでください笑 まだまだイチゴの季節なので)。よくあるバレンタインのビールはどうしてもチョコが先行してスタウトなど濃色になりがちですが、イチゴだけでもいいのではと。ただ使ってみてやはり実感しましたがイチゴは難しいフルーツでした。
自分の中でフルーツをビールに使おうとすると「目立つフルーツ」と「地味なフルーツ」というのを分けて考えます。イチゴは地味なフルーツ。同じベリーだとラズベリー、クランベリー、ブラックカラントあたりは目立つフルーツで、使用された商品もみなさんよく見かけると思います。逆に同じベリーで地味なフルーツはブルーベリーとか。これらの違いは甘さありきのフルーツか否かです。イチゴやブルーベリーは単体では美味しいですが、それは甘いからであり、スーパーで買ってたまにまぎれている甘くないものはハズレだなと感じますよね。こういった甘いから美味しいフルーツはビールに入れるとそのフルーツの味が分かりずらくなりがちです(柑橘類のように香りのエッセンシャルオイルが皮にあるというパターンもありますが)。特に私たちが好きな日本のフルーツであるカキ、モモ、ナシはなかなか難しい地味なフルーツです。ビールを作ってもどうしてもニュアンス程度になりがちなのでブルワーの腕が試されるところでしょう。
これらを解決するには投入量を増やすか、ベースとなるビールの糖分を残す・足すか、他のフレーバーで引き立てるか、といったところが自分では思いつきます。今回は投入量で対応しました。例えば以前販売したEx-squeeze Me!(Fruited Sour Ale w/ Kabosu, Honey & Vanilla)はカボスがそれなりに目立つフルーツでしたがバニラの甘い香りで残糖分が少なくても甘く感じるように作りました。
また、多くのフルーツは発酵前に入れたり、発酵後に入れても適切な処置をしないと、フルーツの糖分も発酵してしまうのせっかくの甘さが残らなくなってしまいます。今回は発酵後にイーストを止める措置をしているので、時間が経って甘くない・過炭酸・最悪は爆発するなんてことはないはずです。
またまた話が長くなりましたが、フルーツビールってそんな考えずに飲みたいですよね。今回はここまで。自分もフルーツサワーエールは好きなのでもっと他が作らないようなものを色々と作っていけたらと思います。

Slam Jam | Fruited Sour Ale w/ Strawberry, Lemon & Mint | 4.0%

ブルワリー

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