Invalid Stout -Milk & Oats- / インヴァリッド スタウト - ミルク & オーツ -

CRAFT BEER BASE Brewing Lab / クラフトビアベース
スタイルスタウト - Stout / スタウト
ABV3.7%
IBU-

0.0☆☆☆☆☆

かつてInvalid Stoutと呼ばれた甘口・低アルコールの黒色ビールを現代風に醸造。乳糖の優しい甘味とオーツ麦の柔らかな口当たり。
Modern style brewing of sweet and low alchohol - black beer, which had been called ‘Invalid Stout’.Enjoy the mild sweetness of lactose and soft mouthfeel of oats.

CRAFT BEER BASEでは2023年、ビールの4大発祥国を順次特集する。3~5月のテーマはイギリスだ。醸造部でもイギリス発祥のビアスタイルをいくつか造ってリリースする。
 今回のリリースはイギリス/アイルランド発祥の黒色ビールStoutをベースに、乳糖とオーツ麦を加えて甘味と柔らかな口当たりを付与したビアスタイルである。ガイドラインの上では乳糖を加えたものはSweet StoutまたはMilk Stout、オーツ麦を使用したものはOatmeal Stoutに分類されるが、レシピの加減によってこれらの風味は似通ることもある。
 これらのビアスタイルの起源について調べるとしばしば出くわすのが、「Invalid Stout」という呼び名である。Invalidには「病人向けの」とか「無効の」といった意味がある。
 1870年代のイギリスでは禁酒運動が活発化しており、アルコール度数の高い蒸留酒は既に強い反対を受けていた。そして次に目を付けられたのがビールである。そこで麦芽由来の糖分や他の成分を残した甘口・低アルコールの黒色ビールが販売されるようになった。これがInvalid Stoutである。禁酒運動家の目をそらすために、なんとかして無害なイメージをつけたかったのか、Invalid Stoutには鉄分豊富で医療上の利点があるという売り文句すら謳われていた。そして1900年以降、Invalid StoutはMilk StoutとOatmeal Stoutに派生していく。
 Milk Stoutの起源の一説には、Invalid Stoutとは別に、黒色ビールをミルクで割った滋養強壮ドリンクが発展したことがある。ミルク中に含まれる乳糖は酵母が発酵できない糖であるため、アルコール度数が低く甘味のあるビールを造るのに適している。そのビールがInvalid Stoutと同一視されることは想像に固くない。さらにMilk Stoutはその名前の響きから、授乳期の母親に適した飲料であるという誇大広告までされるに至る。
 また同時期に、原料の一部にオーツ麦を使用したOatmeal Stoutも人気を博すようになった。乳糖を加えたMilk Stoutは甘味が強すぎるため、よりさっぱりしたOatmeal Stoutを好む人も多かったのかもしれない。とはいえ、ここでもオーツ麦の持つ豊富な栄養が宣伝に用いられたことは言うまでもない。
 さて本作は、乳糖とオーツ麦の両方を使用した低アルコールの甘口スタウトである。これを飲めば様々な栄養素の補給ができて滋養強壮効果がある、、、などという文句は決して言わないが、優しい甘味のこのビールを飲めば、気分がほっこりするということはあるかもしれない。

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Batch #178
Brewing/Tasting Sheet
Brewing Date 2023/02/24
Release Date 2023/04/12

Invalid Stout -Milk & Oats-
Beer Style: Sweet Stout
ABV: 3.7%
OG: 1.055
IBU: 20
FG: 1.028
SRM: 30

Grain Bill
: Maris Otter 68%
Malted Oats 7%
CaraMunich 30°L 3%
CaraMunich 60°L 3%
Amber Malt 4%
Chocolate Malt 4%
Carafa Special 3 4%
Lactose 7%
Yellow Koji Trace

Hops
: Magnum Boil ST 0.5g/L

Yeast
: Lallemand London (English Ale Yeast)

Water (ppm)
: Ca 105 Mg 2 Na 15 Cl 82 SO4 146

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