Dual Winds - Chinook & Mistral - / デュアル ウィンズ - チヌーク & ミストラル -

CRAFT BEER BASE Brewing Lab / クラフトビアベース
スタイルIPA - Imperial IPA / インペリアルIPA
ABV10.1%
IBU70.0

0.0☆☆☆☆☆

米ロッキー山脈に吹く温風Chinookと、仏プロヴァンス地方に吹く寒風Mistral。それぞれの名を冠したホップを大量に使用した強烈ながらドライなインペリアルIPA。
Chinook is a warm wind blowing down the eastern slopes of the Rockies, while Mistral is a cold wind that blows at Provence. We brewed this strong and dry IPA with two kinds hops named after each wind.

CRAFT BEER BASEでは2023年、ビールの4大発祥国を順次特集する。6~8月のテーマはアメリカだ。醸造部からもアメリカ発祥のビアスタイルを幾つかリリースする。
今回のリリースはインペリアルIPA(以下IIPA)。インペリアルとは、クラフトビールの文脈ではアルコール度数が高いことを意味する。つまりIIPAは高アルコールのIPAである。当然、アルコール度数に見合ったハイバランスなフレーバーを構成することが重要となる。
しかし、IIPAはIPAに対して全ての原料のフレーバーが等倍になるわけではない。やはり主役はホップである。このホップを際立たせるための引き算的トリックが、IIPAを醸造する肝といえる。
そのトリックの例として加糖が挙げられる。麦芽の一部を単純糖(特にブドウ糖:Dextrose)に置き換えることで、麦芽のフレーバーが抑えられる。それだけでなく、麦汁中のアミノ酸類濃度も下がることで、酵母が生成するいくつかの香気成分量も抑えられる。結果、相対的にホップフレーバーが際立つというわけだ。ちなみにIIPAにブドウ糖を使用した先駆的ブルワリーはサンフランシスコのRussian Riverだといわれる。
とまあマニアックなことを書いてみたが、やはり注目されるのはホップ使いだろう。本作ではホットサイド(仕込み段階)でアメリカのChinookを、コールドサイド(発酵段階)でフランスのMistralを使用した。フレーバー構成の観点で考えたのは、Chinookに熱を加えることで引き出されるチオール系化合物によって、Mistral特有の白ワイン様フレーバーの底上げを狙ったということだ。しかし、本作のインスピレーションは実は別のところにある。
このChinookとMistral、どちらも地方風の名前なのだ。Chinookは米ロッキー山脈の東側に吹く温かく乾燥した風で、山雪を急速に溶かすため“雪食い”とも呼ばれる。一方、Mistralは仏プロヴァンス地方で猛威を振るう冷たく乾燥した風だ。冬から春にかけて頻発し、“春を呼ぶ風”と言われる。
どちらの風も威厳に満ちた迫力と同時に、キリっとした爽やかな印象も感じられる。本作の大量に使用したホップと、ブドウ糖で強調したドライな飲み口によって、両者の風の名に恥じない風味を表現できただろうか。

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Batch # 188
Brewing/Tasting Sheet
Brewing Date 2023/07/03
Release Date 2023/08/18

Dual Winds - Chinook & Mistral
Beer Style: Imperial IPA
ABV: 10.1%
OG: 1.079
IBU: 70
FG: 1.006
SRM: 4

Grain Bill:
Pilsner 85%
Munich Malt 7%
Dextrose 8%
Yellow Koji Trace

Hops:
Chinook Boil ST 4g/L
Chinook Wirlpool 5g/L
Mistral Dry-Hopping 1st 5g/L
Mistral Dry-Hopping 2nd 4g/L

Yeast:
Lallemand BRY-97

Water (ppm):
Ca 111 Mg 2 Na 15 Cl 52 SO4 199

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