Abbaye Ale Trilogy - Tripel / アベイ エール トリロジー - トリペル

CRAFT BEER BASE Brewing Lab / クラフトビアベース
スタイルその他 - Tripel / トリペル
ABV10.8%
IBU-

0.0☆☆☆☆☆

修道院エール3部作の最後を飾るのはベルジャントリペル。吟醸酒のような豊かなフルーティさを伴うアルコール感に心地よく酔える仕上がり。
The final in the trilogy of monastery ales is Belgian Style Tripel. It is pleasantly intoxicating with a rich, fruity, Ginjo Sake-like alcohol.

CRAFT BEER BASEでは1年をかけて、ビールの4大発祥国を順次特集している。1~2月はベルギー、3~5月はイギリス、6~8月はアメリカ、9~11月はドイツ、そして12月は再びベルギーだ。醸造部からもベルギー発祥のビアスタイルやそれに関連するスタイルをリリースする。
今作のビアスタイルはトリペル(ベルジャン・トリプル)だ。去年12月のエンケル(ベルジャン・シングル)、今年1月のデュッベル(ベルジャン・ダブル)に続く修道院ビール3部作の最終章である。
ベルギーでは歴史的に修道院でビール醸造が行われてきた。ビールはときに修道士の咽の渇きを潤すものであり、客人をもてなすものであり、神にささげるものであった。彼らは用途に応じてアルコール度数の異なる数種のビールを造り分けた。今日ではそれらはアルコール度数の低い順にエンケル,デュッベル,トリペル(1倍、2倍、3倍)と呼ばれることが多い。
アルコール度数を上げるには原材料にそれだけ多くの麦芽が必要であるが、味わいが重たくなりすぎる。そこで修道院ビールでは麦芽由来とは別の糖分を麦汁に加えてアルコールを上げることがよくなされる。
その際使用されるのが“ベルジャンキャンディシュガー”という甜菜糖を原料とする醸造糖である。甜菜糖はショ糖を主成分とする。ビール酵母はショ糖を発酵可能だが、その際に人にとって雑味と感じられるサイダー様のオフフレーバーを生成する。これを回避するには、ショ糖を事前にブドウ糖と果糖へ分解するか、あるいは初めからブドウ糖を使用するのがよい。ベルギーの伝統的なビール醸造では前者のことがキャンディシュガー製造で行われてきた。一方で後者の方法はアメリカの現代的なハイアルコールビール(ダブルIPAなど)などで採用される。
本作では本場ベルギーのキャンディシュガーを使用または手作りしてみたかったのは山々だが、いかんせん現実的な問題がある。そこで現代的手法でブドウ糖を使用した。結果として出来たトリペルは、吟醸酒のような豊かなフルーティさを伴うアルコール感に心地よく酔える美味いビールに仕上がった。しかし言葉にできない伝統的なニュアンスに欠けることは否めない。このニュアンスの違いがキャンディシュガーに由来するかどうかはまだわからない。今後はキャンディシュガーはもちろん、ブドウ糖ではなく果糖を使用した醸造を検討してみるのも面白い。

『Abbaye Ale Trilogy - Tripel 』
Style : Belgian Triple
ABV : 10.8 %

ブルワリー

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