#034 Emerald Breeze / エメラルド ブリーズ

伊勢角屋麦酒 / ISE KADOYA BREWERY
スタイルその他 - その他スタイル
ABV7.5%
IBU-

0.0☆☆☆☆☆

KADOLABO 034 Emerald Breezeは、素材のビール ペールエールのキャラクターを活かしたビアカクテルだ。これまで取り組んできたカクテルインスパイアビールの枠組みを越えた新たな挑戦となる。弊社の看板商品であるペールエールを楽しむ新たな手段として考案した。

ペールエールを活かしたビアカクテルの作成は容易ではなかった。というのも、広く親しまれているビアカクテルのほとんどは、「ビールを活かしたビアカクテル」に相反するものであるのだ。ビアカクテルといえば、シャンディガフはご存じの方も多いのではなかろうか。元来、シャンディというのはカクテルのスタイルの一つで、ビールをジュースや炭酸飲料で割ったものを指す(諸説あり)。その主たる目的は「ビールを飲みやすくすること」である。ゆえに、本レシピ作成にあたって参考にできる情報が非常に少なかった。そこで我々は、一からレシピを組み立てるべく、様々なフルーツやリキュールとペールエールを配合することを試みた。

試作を重ねた結果、ペールエール由来の華やかな柑橘香を活かすために選ばれたのは2種類のキュラソーであった。キュラソーとは、オレンジ果皮をスピリッツに浸漬した後に甘味を加えることで作られるリキュールの一種である。第一に、アルコール度数の高く甘みの強いホワイトキュラソーを用いることでカクテルにボディ感およびオレンジ由来のほのかな甘さを与えた。第二に、ブルーキュラソーにより、さらにオレンジ果皮由来のアロマを増強させ、彩りを加えた。青色と黄色の絵具を混ぜると緑色になるのと同様に、青色のリキュールと黄色に近いビールを混和することで鮮やかなエメラルドカラーとなる。ISEKADOのペールエールのイメージにピッタリだ。

リキュールの添加のみでは甘さが目立ってしまうため、様々な柑橘のフレッシュ果汁を試した結果選ばれた、レモンの果汁により酸味を加えて全体のバランスを整えた。ビール以外の副原料の使用により、ビールを注いで出来上がるカクテル中の炭酸ガスの量はビール単体に比べて低くなってしまう。そこで、強炭酸のトニックウォーターを少量加えることで出来上がりの炭酸ガス量を通常のビールに近づけ、爽快な飲み口とカクテルらしさを実現した。最後の一押しに自家製のホップエキスを滴下し、ペールエールの持つホップアロマにさらなる奥行きを与えるとともに、甘味と苦味のバランスが心地よくなるように仕上げた。エメラルドカラーと対照的なオレンジスライスの飾りでさっぱりとした雰囲気を演出し、ビアガーデンに彩をもたらしてくれる一杯が完成した。

当初は、イベント限定のカクテル提供を想定して考案した内容であり、2025年8月に伊勢神宮おかげ横丁で開催されたビアガーデンにてこのビアカクテルを提供した。弊社はビール免許と発泡酒免許のみ保有しているため、こういったカクテルの製造は許されないものと思っていたからだ。
しかし、2023年の酒税法の改正より、このレシピを発泡酒として製造することが可能になったことがのちのち分かり、10月に日本橋三越屋上で開催されるBeer or Beer?においては樽詰めで製造・提供する。11月には大瓶でも販売する予定だ。

発泡酒のカテゴリは従来よりも大きく幅が広がっている。リキュールを活用した新たな味わいの創出は今度も取り組んでいきたいトピックの1つだ。

#034 Emerald Breeze
スタイル:Beer Cocktail
モルト:2Row, Carapils
ホップ: Citra, Mosaic, Galaxy
酵母:American Ale
副原料: Homemade Hop Extract, Tonic Water, White Curaçao, Blue Curaçao, Lemon, Orange
ABV:7.5%

ブルワリー

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