PEATED RAUCH / ピーテッドラオホ

スタイル	ラガー - その他ラガー
ABV	5.5%
IBU	20.0

0.0☆☆☆☆☆

ブナ材で燻製した麦芽に加えピート（泥炭）で燻製した麦芽も原料に使ったラオホ。香りはもちろん、口いっぱいに広がるスモーキーな味わいが楽しめる、日本ではまだ珍しいラガービールで燻製料理はもちろん肉料理との相性も抜群です。

初めまして、大山Gビールの本多です。
去年入社したばかりなので、今回のビールが自分の大山Gビールでの最初のオリジナルレシピのビールとなります。
皆さん、ピートって知ってますか？
ピートとは、植物が石炭になる前の段階の土のことをいい、泥炭と言われています。
名前から推測できる通り、燃える土です。
ピートはウイスキーにはよく使われているのですが、ビールにはあまり使われていません。
ウイスキーの元はビールなので（簡単に言うとビールを蒸留したのがウイスキーです）、ウイスキーに合うのならビールにも合うのでは？と常々思っていました。
自分はこのピートの香りが好きなので、オリジナルレシピの一発目はピートを使ったビールにしようと決めていました。
ブナの燻製香も好きなので、今回のビールはブナ材を燻製したラオホモルトとピートを燻製したピートモルトの両方を使用したレシピを考案しました。
レシピを考案したのはいいのですが、材料を入手しようとしたところ、どこの商社からも燻製のモルトが入手できずかなり焦りました。
ラオホモルトはなんとか入手できたのですが、ピートモルトは各所ウイスキー蒸留所に相談しても入手できず、ピートモルトを使用したビールはあきらめて普通のラオホビールに変更しようかと考え始めていました。
あきらめかけていた時に、知り合いのブルワリーが以前ピートのビールを造っていたことを思い出し、ダメもとでピートモルトの入手方法について相談してみたところ…
そこのブルワリーは、自社で燻製してピートモルトを作ったとのことでした。
「ピートモルト、うちで作ってもいいよ」と言ってくれたので、急遽お願いしてモルトをピートで燻製してピートモルトを作ってもらいました。
おかげで、あきらめかけていたピートモルトがモルトミル前日にギリギリ入手でき、やっと仕込みにこぎ着けられました（ピートモルトは、NAMACHAん Brewing自家製となります）。
今回のビールは、ビール仲間のご協力があってできたビールで、やっぱり持つべきものはビール仲間ですね。
この場をお借りして皆様にお礼を申し上げます。
いざ仕込んだのはいいのですが、仕込み中や発酵中はかつお節みたいな香りがしててピートの燻製香が感じられず、ちょっと不安でした。
熟成中に試飲してみたところ、最初はブナの燻製香が感じられるのですが、少し放置して暖まるとピートの燻製香が徐々に前面に出て、飲んだ後に鼻から突き抜ける香りはピートの燻製香がよく感じられました。
ピートの燻製香について、多分知っている方は少ないと思います。
ピートは1年で1ミリしかできず、地球が長い年月をかけて育んできたものです。その歴史に想いを馳せながらピーテッドラオホを飲み、大地の香りを感じてもらえたら幸いです。