GRULEUR / グルール

南会津マウンテンブルーイング / MINAMI-AIZU MOUNTAIN BREWING (MMtB)
スタイルその他 - その他スタイル
ABV6.0%
IBU-

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今年の春から、工場から車で10分ほどのところに小さな畑を借りました。
麦やホップといったビールの原料のほとんどを輸入されているものを使用しています。欲しい時に、商社から必要な原料を購入する。原料の質は素晴らしいですし、そのシステムに不満があるわけではないですが、日本酒やワインに比べるとどこか工業的に感じてしまう自分がいるのです。農作物からお酒はできているということを、少しでも感じれるように、まずは自分たちの範囲で、原料や土と触れ合ってられるものを始めようということで、今年はハーブを9種類植えました。
そのうちの7種類をフレッシュなとれたての状態で使用したビールになります。
今回仕込んだスタイルのGruit/グルートとは、
15世紀ごろのビールにホップが使用される以前に、ビールを醸造する際の味付け、香り付け、腐敗防止のために薬草などを用いて醸造されてたビールのことです。
正直、自分自身も今までで1回飲んだことがあるかないかといったくらいのものです。
もともとGruitというスタイルに興味もあったのと同時に、この手塩にかけて育てたかわいいハーブたちを存分に感じられるスタイルとはと考え、今回仕込みました。このホップフォワードの時代に、はたして受け入れらるかは不安なとこではありますが。
今回使用したハーブは、
ホワイトセージ、レモンバーベナ、ヤロウ、オレンジミント、カモミール、ニガヨモギ、ホーリーバジルの7種類。仕込みではは、ホップ由来の苦味や口に含んだ時の香りの厚みをどうカバーするかという点も意識しレシピを組みました。
まずは、苦味ですが、これはニガヨモギで。
ニガヨモギの苦味を調べようと思い、お湯で煮出して飲んでみたところ、まあもう飲めたものじゃないくらい苦くなりまして、今回はだいぶ控えめに使ってみました。
温度が上がってきた状態で、ビールを飲み込んだときに、ヨモギの風味をキャッチできますが、正直、もう少し入れてもよかったかなと思っています。
全体的な厚みですが、これは、度数を6%(うちは5%台のビールが多いので。でも7%はちょっと違うなと思い)にすることに加え、麦芽の半分以上を小麦麦芽とフレークドウィートにすることにより、味でふくよかな厚みが出るようにしてみました。
最初はオレンジのような柑橘系に、甘やかな香り、ハーブや花の香りがいっぱいに広がります。味わいは、小麦たっぷりの丸い味わいに、どこかサイダーを思わせる印象。清涼感もどこか感じられます。ドライだけど薄くない仕上がりですになっています。最初こそ派手ですが、飲み口は割と落ち着いているかと。ホップを使ったビールとは、また違う表現ができたのではと思っています。
例えば、ホップを使ってレモンのような香りを目指すなら、ハーブのレモン系の香りがするものを代わりに使えばいいんじゃないかと思っている節もありましたが、今回の仕込みで、またビールを醸造するおもしろさを感じれた気がします。ハーブはハーブで好きだし、やっぱりホップもいいよな〜なんてことを思うのでした。

GRULEUR/グルール
フランス語のcouleurという色や彩りといった意味合いの単語と、スタイル名のGruitを繋げました。季節の彩りを感じもらえたらなと。

“GRULEUR”
Style:Gruit
ABV:6.0%

ブルワリー

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