Grisette / グリゼット

大山Gビール (大山ブルワリー) / Daisen G Beer
スタイルその他 - Grisette / グリゼット
ABV4.0%
IBU20.0

0.0☆☆☆☆☆

ベルギーの炭鉱労働者が飲んでいたという低アルコールビール。

ホップが爽やかに香り、酸味はなく、ライトボディでグイグイと飲めるドライなビールです。

ラベルの灰色は「グリゼット(和名:ノドジロムシクイ)」という灰色の鳥を、水色はこのビールの生まれたベルギー・ワロン地方の豊富な水源を表しています。

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大山Gビール・高田です。

今回はリリースするスタイルは、産業革命当時の鉱山遺跡が世界遺産にも登録されている程、盛んに採掘作業が行われていたベルギーのワロン地方で生まれ、そこで働く炭鉱労働者が渇いた喉を潤すために飲んでいた低アルコールビール。

それがグリゼットです。

同じくベルギー発祥のセゾンとも近いとされていますが、常に小麦を使用する点で違っています。酸味はなくドライなゴールデンカラーの低アルコールビールというのが伝統的なスタイルとされているので、大山Gビールでも爽やかに香るホップと軽やかな喉越しのビールに仕上げられるよう、レシピを組みました。

ただそこは現代版グリゼットとして、若干のアレンジも加えています。

ベルジャン系酵母に良く見られるフェノーリックさもありつつ、今回使用したホップであるニュージーランド産の新顔・スーパーデリックが特徴的なトロピカル香を放っています。少しキャラクターの強いホップかとは思いましたが、ジューシーさを演出するのに一役買ってもらっています。

大山Gビールでは初挑戦となりますが、小麦を使用したスタイルという意味では、ヴァイツェンやウィートワインを醸造する弊社の得意分野とも言えます。

また低アルコールビールにありがちな物足りなさを感じることが無いように、ライムギのモルトとビスケットモルトを加えて、穀物感が出るようにしています。またホップ由来のビターネスも確りと。

グリゼットの名の由来は諸説あるようなのですが、ワロン地方で使われる古いフランス語(ワロン語)の“gris”(灰色)+ 接尾辞 “-ette”(小さい・かわいい)を合わせた言葉で、英訳すると “little gray” となりますので、ついつい釣り目の宇宙人を想像してしまいます 笑

現地の言葉で “Grisette” と呼んだ場合にはヨーロッパでは普通に見られる「ノドジロムシクイ(Fauvette grisette)」という小さな鳥を指します。ただ殊ビールに関しては、炭鉱労働者向けにビールを給仕していた女性が着ていた制服が灰色だったからとか、炭鉱の粉塵のせいでビールが灰色に見えたとか、名になった由来は結局のところ良く分かっていません。

一時的に廃れてしまっていたビアスタイル(ベルギーで伝統を引き継いでいたのはたった一箇所で、そこですら途絶えていた時期がある)ですが、弊社で醸造したことのあるゴーゼと同様にアメリカのクラフトビールブームによって、多種多様なグリゼットが造られることとなり、現在は勢いを増しつつあるとも言えます。

そんな紆余曲折を経て現代に甦った、伝統と革新の一端にぜひ触れていただきたいと思います。

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