古丹とAKIRA

忽布古丹醸造 / HOP KOTAN BREWING (ホップコタン)
スタイルピルスナー - Czech Pilsner (Bohemian Pilsner) / チェコピルスナー
ABV5.0%
IBU40.0

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8月中旬、上富良野のホップ畑が収穫の季節を迎えると、忽布古丹ではフレッシュホップを使ったHarvest Brewの仕込みが始まります。今年はそのタイミングで、新たな挑戦としてフレッシュなHKB001の「ホールホップ」だけで仕込むチェコピルスナーをつくっていました。ホールホップとは、摘み取ったホップを乾燥しただけの、自然に近い形のホップです。ペレット加工をしないぶん、保存や使用はかなり面倒になりますが、育った土地の香りがそのまま生きています。
伝統的にチェコピルスナーではこのホールホップが使い続けられています。その理由は伝統だけではありません。粉砕せずにそのまま使用することで、ホップの成分が穏やかに溶け出し、苦味が丸くなります。また、香りの成分が自然に移るため、奥行きのあるアロマが生まれます。
この手法は、まさにチェコのビール文化の象徴であり、いまも多くのブルワリーが受け継いでいます。その哲学と歴史にはリスペクトしかありませんが、これを上富良野産のホップで再構築したら面白いものがつくれるのでは?と思い、このビールを仕込むことにしました。
ですが、ただ本場の模倣をするのではなく、ホップの香りを前面に押し出しながら、飲み口はスッキリと、忽布古丹らしく仕上げた「上富良野のチェコピルスナー」を目指しました。
モルトはPilsnerを主体にViennaをわずかに加え、少しだけ軽めにしながらもシングルデコクションで穀物の旨みと、香ばしい甘みを引き出しました。ホールホップは温度や投入
タイミングを細かく分けて投入し、魅力をすべて引き出せるよう気を配りました。
飲むとホップの魅力がまっすぐに立ち上がり、高貴で上品な香りがガツンときます。
香りも苦味も力強いのに、どこか柔らかく、バランスが取れているのはホールホップ由来の柔らかいニュアンスと、モルトの甘みが土台を支えてくれているからです。
HKB001がもつノーブルホップのような華やかさ、上品さを存分に引き出しながらも、自然で、心地よい苦味。フレッシュなホールホップの新鮮な香りを閉じ込めて、土地の個性と伝統が出会う一杯になりました。どうぞ、グラスの中でその調和をゆっくりと感じてください。

style:Czech Pils
原材料:麦芽、ホップ(上富良野町産)
ABV:5.0%
IBU:40

ブルワリー

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